1993 Fiscal Year Annual Research Report
低出力医用レーザーによる免疫細胞の活性化に関する研究
Project/Area Number |
03454200
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Research Institution | HIROSAKI UNIVERSITY |
Principal Investigator |
菅原 和夫 弘前大学, 医学部, 教授 (80136788)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
熊江 隆 国立公衆衛生院, 労働衛生学部, 室長 (40145363)
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Keywords | 低出力レーザー / 貧食能 / ヒト好中球 / ルミノール依存性化学発光 / ルシゲニン依存性化学発光 / 活性酸素種 / NADPH-オキシターゼ |
Research Abstract |
低出力医用レーザーの作用機序に関して現在まで殆ど判明していない。本研究では,免疫細胞活性に及ぼすレーザーの影響をみることを目的とした。対象とする細胞として,好中球を選定した。細胞活性としては,対象細胞からの活性種酸素を測定した。 これまでの研究経過は,平成3年度は,低出力医用レーザーとして連続照射型GaALAs半導体レーザー830nmを用い,最も好中球を活性化するレーザー照射の条件(照射時間15〜30秒,出力15,30,45,60mW)を設定した。さらに,平成4年度は,至適条件下でレーザーを照射し,直後に好中球を粉砕して膜分画を単離し,活性種酵素種産生酸素群,主としてNADPHオキシダーゼ及びミエロペルオキシダーゼの活性を測定した。その結果照射によって,ミエロペルオキシダーゼ系の活性化の増強が生じていることが示された。この作用機序として,ミエロペルオキシダーゼ活性種酸素の産生の場へ提供する脱顆粒に対してのレーザーの作用と考えられた。またスーパーオキサイドを産生するNADPHオキシダーゼ系活性系に対しても照射による増強効果がみられた。この作用機序として直接的作用の可能性が示唆された。一方,同様照射で,好中球の膜表面のレセプター数の変化をみたところ,各種レセプターの数の増加や結合力の増強が起きている可能性が示唆された。 平成5年度は,4年度の実験の再現性をみるために再度同様実験を行った。その結果照射によるミエロペルオキシダーゼ系の活性化の増強がみられた。またスーパーオキサイドを産生するNADPHオキシダーゼ系活性系に対しても照射による増強効果がみられた。さらに,至適条件下の照射で,好中球の膜表面のレセプター数の増加や結合力の増強が起きていた。このように平成4年度と同様の結果が得られた。この他,平成5年度は報告書のまとめの作業を行った。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] 小松尚: "Luminol-dependent chemiluminescenceによる好中球産生活性酸素種の測定" 弘前医学. 43(4). 328-337 (1992)
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[Publications] 工藤恵美子: "ヒト微量血からの新しい好中球分離法の検討" 日本衛生学雑誌. 47(2). 650-657 (1992)
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[Publications] 工藤恵美子: "臍帯血と母体血における好中球機能の検討" 日本小児血液学会雑誌. 6(5). 415-422 (1992)
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[Publications] 小野芳男: "Luminol-dependent Chemiluminescenceを指標とした好中球活性に及ぼす金属元素の影響" 弘前医学. 45(2). 198-207 (1993)
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[Publications] 熊江隆: "好中球化学発光における反応速度論的研究-好中球化学発光評価方法の比較と再検討-" 炎症. 13(2). 119-123 (1993)
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[Publications] Makoto Yamaya: "Mechanistic approach to GaAlAs diode laser effects on productions of reactive oxygen species from human neutrophils as a model for therapeutic modality at cellular level" Laser Therapy. 5(1). 111-116 (1993)