1992 Fiscal Year Annual Research Report
慢性胃炎の免疫病態形成におけるヘリコバクタ・ピロリ菌の関与
Project/Area Number |
03454229
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Research Institution | Sapporo Medical College |
Principal Investigator |
谷内 昭 札幌医科大学, 医学部, 教授 (50045324)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
日野田 裕治 札幌医科大学, 医学部, 講師 (10165128)
杉山 敏郎 札幌医科大学, 医学部, 講師 (00196768)
今井 浩三 札幌医科大学, 医学部, 助教授 (60117603)
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Keywords | ヘリコバタタ・ピロリ菌 / 慢性胃炎 / 病態解析 / 胃液 / SIgA |
Research Abstract |
最近、胃炎あるいは胃二十指腸潰瘍の胃組織中から高頻度にHelicobacter pylori(以下HP)が検出されることがほぼ明らかにされ病態形成への関連が注目されている。一方、とくに慢性胃炎組織粘膜固有層に好中球に加えてリンパ球浸潤の強い症例(lymphocytic gastritis)も認められ、その細胞障害機序、慢性化に免疫学的関与が推測される。研究者は胃炎の慢性化における機序の一因としてHPの関与を想定し基礎的検討を行ない、これまで以下の成績を得た。1)慢性胃炎患者前庭部胃粘膜組織中から極めて高頻度にHPを分離培養できた。2)同患者血清中からHP菌体成分中の極めて特定の蛋白(110Kd,60Kd,36Kdおよび25Kd)に対する抗体が高頻度に検出された。3)lymphocytic gastritisでは組織中のHP検出頻度は高くないが、血清抗体は高値を示した。4)胃液中に必泌型IgA(SIgA)タイプ抗HP抗体を検出した。 本研究においては、以上の成果から胃炎の慢性化機序としてHPの関与を想定し、HPに対するモノクローナル抗体を用いて病態形成に密接に関連する抗原抗体系を明らかにし、特に胃液中のSIgA型抗体について、対応抗原分子量別の測定を実施した。またSIgA型特異抗体の機能を解析する目的でHP菌体自身やHPコロニー形成に及ぼす影響をin vitroに検索しこれらは直接抗菌効果を示さないことを明らかにした。さらにヒト型抗HPモノクローナル抗体を作製し、in vivoにおける機能を検索すると共に、それらに対応する宿主因子を免疫学的観点から解析しつつある。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] Yachi,A.et al.: "Helicobacter pylori-associated gastroduodenal disease: Immunological aspects" Gastro in testinal Function,Regulation and Disturbances. 9. 131-139 (1991)
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[Publications] 杉山 敏郎,他: "Helicobacter pylori感染胃粘膜のリンパ球抗体産生" Progress in Medicine. 12. 615-619 (1992)
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[Publications] 千葉 満郎,他: "モノクローナル抗体CP2によるHelicobacter pyloriの免疫組織学的検討" 日本臨床免疫学会会誌. 15. 548-552 (1992)