1993 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
03454333
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Research Institution | KYOTO UNIVERSITY |
Principal Investigator |
人見 滋樹 京都大学, 胸部疾患研究所, 教授 (80173186)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
横見瀬 裕保 京都大学, 胸部疾患研究所, 助手 (80231728)
和田 洋巳 京都大学, 胸部疾患研究所, 助教授 (90167205)
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Keywords | 肺移植 / 拒絶反応早期診断 / 成人T細胞白血病由来因子 |
Research Abstract |
X線、紫外線、H_2O_2などのストレスにより誘導されるADF(成人T細胞白血病由来因子)が肺移植後の拒絶反応時に発現されるかどうかを、犬同種肺移植モデルにおいて検討した。7頭の雑種成犬を用い、同種左肺移植を行なった。免疫抑制剤として、FK506(0.1mg/kg:im)を術後5日目まで用い、術後6日目からは免疫抑制剤の使用を中止し、拒絶を生じさせた。我々は以前に同量のFK506が肺移植後の拒絶反応を抑制することを明らかにしている。術後5日目と10日目に胸部レントゲン撮影、気管支肺胞洗浄(BAL)を行ない、術10日目に犠牲死せしめ、組織学的に移植肺を検討した。気管支肺胞洗浄液の細胞、犠牲死後の肺組織を抗ADF抗体により染色した。またコントロールとして肺炎を起こしている犬のBAL液細胞、肺組織のADF染色を行なった。術10日目にはgrade1〜3の拒絶反応を起こしていた。術5日目のBAL細胞中にADF高産生細胞はほとんど認められなかったが、術10日目には多数のADF高産生細胞が認められた(p<0.01)。感染を起こした犬の肺組織、BAL細胞中にADF高産生細胞はほとんど認められなかった。以上よりBAL中のADF高産生細胞の検討は、肺移植後の拒絶反応早期診断に有用と思われた。
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