1993 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
03454344
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Research Institution | University of Tokyo |
Principal Investigator |
松野 彰 東京大学, 医学部(病), 助手 (00242058)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
浅井 昭雄 東京大学, 医学部(病), 助手
松谷 雅生 東京大学, 医学部(病), 助教授 (90010454)
寺本 明 東京大学, 医学部(病), 講師 (60231445)
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Keywords | in situ hybridization / pituitary adenoma / mRNA / pituitary hormone / biotirylated oligonucleotide probe / primordial stem cell |
Research Abstract |
種々の下垂体腺腫における下垂体前葉ホルモンのmRNAの発現について、ビオチン化オリゴヌクレオチドプローブを用いたin situ hybridization法(ISH)により検討し、その細胞起源について考察を行った。対象とした組織は成長ホルモン(GH)産生腺腫29例、プロラクチン(PRL)産生腺腫9例、臨床的非機能性腺腫22例である。対照試験の結果を十分に考慮し、当該ホルモンのmRNAを検出していないと考えられる例、mRNAの保存性に問題があると思われる例は全て除外した。17例のGH産生腺腫ではGHは全例で、PRLは13例、副腎皮質刺激ホルモン(ACTH)は8例、卵胞刺激ホルモンβサブユニット(FSHβ)は5例、黄体形成ホルモンβサブユニット(LHβ)は3例、糖蛋白ホルモンαサブユニット(α-subunit)は4例、甲状腺刺激ホルモンβサブユニット(TSHβ)は3例でそれぞれのmRNAが検出された。免疫組織化学(IHC)が陰性でISHが陽性の例が特にACTH、FSHβ、LHβで認められ、GH産生腺腫の発生起源とされてきた好酸性細胞ではなく、plurihormonal primordial stem cellに由来する可能性を示唆する。4例のPRL産生腺腫は、全例でISH、IHC共にPRLのみが陽性であり、好酸性細胞の最終分化段階にあるPRL細胞に由来するものと考えられる。臨床的非機能性腺腫14例のISHでは、FSHβ、LHβ、α-subunitがそれぞれ5例、4例、1例で陽性であり、GH、PRL、ACTHが4例、5例、5例で陽性であった。本腺腫は、ゴナドトロピン産生腺腫のl型として位置づけられているが、GH、PRL、ACTHのmRNAを発現しているものもあり、plurihormonal primordial stem cellに由来する可能性を意味する。下垂体腺腫における下垂体前葉ホルモンの産生分泌とそのmRNAの発現に関しては、非放射性プローブを用いたISHに加え、蛋白への翻訳レベルでの検討などを同時に行い、さらに詳しく調べる必要があると思われる。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] 松野彰,寺本明 他: "非放射性プローブを用いたin situ hybridization法による、正常下垂体組織および非機能性下垂体腺腫への形態学的アプローチ" ホルモンと臨床. 41. 22-28 (1993)
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[Publications] Akira Matsuno et al.: "Ultrastructural distribution of GH,PRL in RNA in normal rat pituitary gland" Acta Histochemica et Cytochemica. 26. 490 (1993)