1992 Fiscal Year Annual Research Report
悪性脳腫瘍における血管透過性と局所血流量に関する研究
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03454349
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
福井 仁士 九州大学, 医学部, 教授 (10038713)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
池崎 清信 九州大学, 医学部, 助手 (10145360)
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Keywords | 脳腫瘍 / 化学療法 / 血管作動性物質 / 脳血流 / 血液脳関門 |
Research Abstract |
ラット脳腫瘍移植モデルにおける腫瘍血管の特異性につき検討した。 #1 経動脈的ヒスタミン投与により腫瘍血流の選択的増加を認めた。さらに、この作用がヒスタミンレセプターを介していることを受容体阻害薬を用い確認した。また、同時にエバンスブルーを投与すると、ヒスタミン投与時には腫瘍部におけるエバンスブルーの選択的露出が見られ、受容体阻害薬の併用によりエバンスブルーの露出も抑制された。このことは、ヒスタミンによる血液腫瘍関門の透過性亢進がヒスタミンレセプターを介しており、さらに血管内のヒスタミンが血管平滑筋へ直接作用し腫瘍血流を増加させた可能性を示唆している。 #2 経動脈的アセチルコリン投与では腫瘍血流に有意な変化はなかった。 #3 経動脈的カルシウムチャンネルブロッカー投与では、腫瘍部血流の選択的増加を認めた。 #4 経動脈的ATP投与により選択的腫瘍血流増加があることは既に報告済だが、^<14>C-ACNUとの併用により腫瘍組織中のACNU濃度をオートラジオグラフィーにて検討した。プレリミナリーデータだが、コントロールに比べ、ATP投与郡で有意な腫瘍組織内ACNUの増加を認めた。今後さらにnを増やす必要がある。 以上、脳腫瘍血管の血管作動性薬剤に対する反応性は、正常脳血管とは異なることが示唆され、ニューロトランスミッターを中心に今後も検討を進める。また、抗癌剤の併用による抗腫瘍効果が期待できる。
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