1991 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
03454353
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Research Institution | Kyorin University |
Principal Investigator |
佐和 弘基 杏林大学, 医学部, 助手 (80135912)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
前田 達浩 杏林大学, 医学部, 講師 (50210993)
永松 信也 杏林大学, 医学部, 助教授 (80231489)
星野 孝夫 杏林大学, 医学部, 教授 (90010165)
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Keywords | 細胞細胞接着蛋白質 / CーCAM105 / グリオ-マ細胞 |
Research Abstract |
ラット腎λgtll cDNAライブラリ-より単離されたcDNAクロ-ンK3は、immunoglobulin superfamilyに属する細胞細胞接着関連蛋白質であることが、その塩基配列の検索から明かとなってきた。この蛋白質全塩基配列を知るために新たにクロ-ニングを、当施設及びカロリンスカ研究所細胞生物学教室で並行して行っている。この蛋白質の局在を知るために、cDNAクロ-ンK3より作成したβーガラクトシデ-スとの融合蛋白質に対する抗体をもちいて、免疫組織化学染色及びイムノブロッティングにより検討した。脳では、脈絡叢上皮、星膠細胞、皮膚、舌、食道では、重層扁平上皮の基底細胞層、胃、小腸、大腸では、細胞細胞接着部位に存在した。これらのことから、この蛋白質が細胞相互の接着に関与することが推定された。イムノブッロティングでは、各組織で分量が異なり40ー70KDaの間にバンドがみとめられた。加えて、このKー3蛋白質と免疫学的類似性のあるCーCAM105についても、その抗体を入手して、ラットC6グリオ-マ細胞での発現を証明した。この蛋白質の存在は、グリオ-マ細胞ではいままで知られておらず、グリオ-マ細胞相互の接着にCーCAM105が関与している可能性が示唆された。CーCAM105の塩基配列は、昨年発表され、ラット肝細胞のectoーATPaseと同一蛋白質であり、ヒトのCEA familyと類似性を持つことが知られてきた。PCR法にて、上記に塩基配列より約1000bpのDNA断片を増幅し、Bluescript IIでサブクロ-ニング後、RNA、DNAプロ-ベを作成した。これらのプロ-ベを用いて、ラットC6グリオ-マに存在するCーCAM105のcDNAクロ-ニングを試みている。蛋白質レベルでも、本年当大学に納入されたABI社製ペプチドシンセサイザ-を用いて、K3,CーCAM105のN末端及びC末端のポリペプチドを化学合成し、ウサギ、モルモットに免疫し、抗体を作製中である。
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[Publications] Shinya Nagamatsu,Hiroki Sawa,Akira Wakisaka,Takao Hoshino: "Differential Expression of Glucose Transpoter Gene in Human GliomasーExpression of lnsulin Responsive Glucose Transporter(Glutー4)in Human Glioma" Clinical Investigation.
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[Publications] 鎌田 孝一,佐和 弘基,佐藤 秀子,星野 孝夫: "In situ hybridization法を用いた増殖細胞の同定法" 医学のあゆみ. 161/11. (1992)