1992 Fiscal Year Annual Research Report
高温処理自家骨移植の基礎と臨床応用(骨形成因子から見た骨誘導と靭帯固着)
Project/Area Number |
03454359
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
佐藤 啓二 名古屋大学, 医学部, 講師 (20178726)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
伊藤 隆安 名古屋大学, 医学部・大学院
山村 茂紀 名古屋大学, 医学部, 医員
杉浦 英志 名古屋大学, 医学部, 医員
河村 守雄 名古屋大学, 医療技術短期大学部, 助教授 (30186150)
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Keywords | 骨形成因子 / 靭帯固着 / 同種骨移植 / 温度処理 / 表面脱灰 |
Research Abstract |
まず高温処理により骨内の骨形成因子活性に基ずく骨誘導能の変化を検討した結果、70度10分処理が最も望ましい処理条件であると結論し、さらに自家移植温度処理骨への靭帯の固着性を検討した結果、70度10分の温度処理骨にさらに表面脱灰操作を加えることによってオートクレーブ処理骨に比し格段に優れ、自家未熱処理骨と同等の靭帯固着性を獲得することが可能になることを明らかにした。またこの70度10分処理骨の免疫原性について、マウス同種移植系を用いそのCTL活性を測定した結果、新鮮超低温保存骨と同程度に免疫原性は抑えられており、実際の同種移植において70度10分処理を加えた処理骨には免疫原性は極めて低く抑えられていることも明らかとなった。つまり70度10分処理骨はさらに高温を加えた処理骨に比し、骨誘導能は高く維持され、表面脱灰操作により靭帯固着性も従来の自家骨移植と同程度良好に発揮されることを示した。またSwarmラット軟骨肉腫を用いた実験では50度30分処理でも腫瘍は完全には死滅しないことを確認しており、腫瘍の再建に用いる為には少なくとも60度以上の熱処理が必要であることも重要なポイントとして確認した。またこの温度処理骨をラットに移植した系で、アルカリフォスファターゼ・2型コラーゲン・1型コラーゲンのm-RNAの経時的測定を行い、温度処理骨に由来する骨・軟骨形成の経時的変化をより具体的に把握することによって骨形成因子による骨誘導能には、軟骨を主として誘導するものと、骨を主として誘導するものがありそうであることを見いだしている。さらには60度、70度、80度の各温度について処理時間を10時間と設定し、ウィルスに対する滅菌効果と骨誘導能についても検討中である。
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[Publications] Keisuke Nakanishi: "Preservation of Bone Morphogenetie Protein in Heat-Treated Bone" J.Jpn.Orthop.Assoc.66. 949-955 (1992)
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[Publications] Hideshi Sugiura: "Tendon Insertions Onto Sllografts Pretreated with Heat and/on Surface-Demineralization" clin Orthop.