1991 Fiscal Year Annual Research Report
アルツハイマ-型老年痴呆婦人に対するエストロゲンの作用機序に関する基礎的研究
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03454401
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Research Institution | Kyoto Prefectural University of Medicine |
Principal Investigator |
本庄 英雄 京都府立医科大学, 医学部, 助教授 (30110852)
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Keywords | アルツハイマ-型老年痴呆 / エストロゲン / 中枢神経 / 作用機序 / アセチルコリン / 神経培養 / SteroidーSulfatase mRNA / 分子生物学 |
Research Abstract |
アルツハイマ-型老年痴呆婦人に対して、estrone sulfate(E_1ーS)を主成分とする結合型エストロゲンを投与し、その臨床症状の改善を先に明らかにした。本研究ではその作用機序の基礎的研究を行っている。 A、前眼房内移植基底核組織へのエストロゲンの影響,研究発表(1) 胎齢19日のウィスタ-系ラット雌胎仔より基底核を切り出し、あらかじめ卵巣摘出した雌ラットの前眼房内へ移植した。一群では3日毎に吉草酸エストラジオ-ル2mgを皮下注した。エストロゲン投与群では、アセチルコリンエステレ-スが染色された軸索、樹状突起が濃く分布、エストロゲンがコリン作動性神経細胞に対して成長因子的に働く事を示唆した。 B、視床下部細胞の生き残りに対する影響 培養初代マウス神経細胞ならびにグリア細胞に対するエストラデオ-ルの効果を定量的に評価することを目的とし、本年度はその為の基礎的技術を確立した。 即ち1)胎齢12〜15日のICRマウス間脳よりの単離細胞をポリ・リジンでコ-トした培養皿にまき、培養、5、10、15日後に固定し抗MAP2抗体をはじめとする各種抗体を用い免疫組織化学染色を施行した。 2)生後1〜2日のICRマウス間脳から細胞を、単離、フラスコで培養、器壁に接着性を示す細胞(グリア細胞)のみを継代培養、免疫細織化学染色を行った。 C、Steroid sulfate mRNAの検討 中枢神経系に対するE_1ーSの作用機序の分子生物学的解明を最終目的とし、本年度はヒトSteroid Sulfate mRNAを胎盤、子宮内膜、で分析した。
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[Publications] H.Honjo,T.Tamura,Y.Matsumoto,M.Kawata,Y.Ogino,K.Tanaka,T.Yamamoto,S.Ueda and H.Okada: "Estrogen as a growth factor to central nervous cells.Estrogen treatment promotes development of acetylcholinesteraseーpositive basal forebrain neurons transplanted in the anterior eye chamber" J.Steroid Biochem.Molec.Biol.
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[Publications] Honjo H,Tanaka K,Yasuda J,Ohno Y,Kitawaki J,Naitoh K,Ogino Y,Yamamoto T,Okada H,Watanabe K,Yoshizawa I.: "Serum estradiol 17ーsulphate and lipid peroxides in late pregnancy" Acta Endocrinologica.