1992 Fiscal Year Annual Research Report
超塑性チタン合金による補綴物の成形に関する基礎的研究
Project/Area Number |
03454447
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
奥野 攻 東北大学, 歯学部, 教授 (50014080)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高田 雄京 東北大学, 歯学部, 助手 (10206766)
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Keywords | 超塑性成形 / チタン合金 / チタン / 歯科用材料 / 義歯の成形 / 拡散接合 / 耐食性 / インサート材 |
Research Abstract |
本年度は超塑性成形Ti-6A1-4V合金に鋳造クラスプを直接接合する方法について基礎的検討を行った。Ti-6A1-4V合金を超塑性成形すると同時に、純チタン、Ti-6A1-4V合金、Ti-20Cr-0.2Si合金、コバルトクロム合金を拡散接合し、接合強さ、接合機構、耐食性を調べた。インサート材としては金箔、パラジウム箔、金合金ろうなどを選び、母材であるTi-6A1-4V合金板と被着材の純チタン、Ti-6A1-4V合金、Ti-20Cr-0.2Si合金、コバルトクロム合金などの間に挟み、アルゴンガス圧7kg/mm^2、950℃、2時間の条件で超塑性成形と拡散接合を同時に行った。この結果、インサート材にパラジウム箔あるいは14〜20Kの金ろうを用いれば純チタン、Ti-6A1-4V合金、Ti-20Cr-0.2Si合金では拡散接合が可能であった。コバルトクロム合金では14〜20Kの金ろうを予め流ろうしておくことにより拡散接合が可能であった。パラジウム箔のインサート材は超塑性成形時にチタンと相互に良く拡散するため、被着材が純チタンやチタン合金の場合には強固な接合が得られることがわかった。インサート材に14〜20Kの金ろうを用いた場合にはチタンおよびチタン合金内に金ろう中の銀が急速に拡散するため接合することがわかった。一方、金ろうを流ろうしたコバルトクロム合金を拡散接合した場合にも銀がコバルトクロム合金とTi-6A1-4V合金内の両方に拡散しており、接合に寄与していることが示唆された。このようにインサート材にパラジウム箔や14〜20Kの金ろうを用いれば、Ti-6A1-4V合金を超塑性成形すると同時に、純チタン、Ti-6A1-4V合金、Ti-20Cr-0.2Si合金、コバルトクロム合金などの鋳造クラスプを接合できることがわかった。 またこれらの拡散接合部の耐食性を37℃、0.5%乳酸中での溶出試験から検討した。接合前よりわずかにイオンの溶出量は増加するが絶対量としてはきわめて少なかった。
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