Research Abstract |
義歯裏装材の材質および物性と使用目的との関係は明確ではない。そこで本材の各使用目的別,材質別,化学組成および構造的因子別,顎粘膜とのレオロジ-的性質を明らかにし,各使用目的に適する化学組成および構造的因子を決定することを目的とする。 各種裏装材の理工学的性質を以下に示す分類により材質別および使用目的別に検討した。材質別分類は,1直接リベ-ス用常温重合レジン,2ティッシュコンディショナ-,動的印象材,3弾性裏装材であり,使用目的別分類は,1組織調整,2動的印象,3暫間裏装,4弾性裏装である。 ティッシュコンディショナ-,動的印象材の練和直後から硬化進行中における流動性の測定により,その流動性は,1粉末ポリマ-の分子量,粒度,2可塑剤の種類,溶液中のアルコ-ル含有量,3粉液比,により影響をうけることが明らかとなった。硬化後の粘弾性および経時的変化の解析により、静粘弾性も上記の種々の因子によって影響をうけることがわかった。以上より各因子を調整することにより,各使用目的に適する粘弾性性質にコントロ-ルできることが明らかとなった。 弾性裏装材の静的粘弾性についても測定し,材質別に異なる粘弾性性質がしめされた。 また,ティッシュコンディショナ-,動的印象材の寸法安定性も検討し,1粉末ポリマ-の粒度,2溶液中のアルコ-ル含有量,により経時的収縮が異なった。また,エステル(可塑剤)の溶出はほとんど認められないことがわかった。 さらに現在,シ-ト状圧力センサ-による床下粘膜負担圧の測定を顎提モデルで検討中である。
|