1992 Fiscal Year Annual Research Report
合成オリゴペプチドを用いたTSH受容体抗体の免疫測定法の開発と臨床応用
| Project/Area Number |
03454506
|
|---|
| Research Institution | Osaka University |
|---|
Principal Investigator |
網野 信行 大阪大学, 医学部, 教授 (60028694)
|
|---|
| Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
館 純子 大阪大学, 医学部附属病院, 医員
高田 薫 大阪大学, 医学部, 助手 (80216655)
岩谷 良則 大阪大学, 医学部, 助教授 (60168581)
玉置 治夫 大阪大学, 医学部, 講師 (20221400)
|
|---|
| Keywords | TSH受容体 / オリゴペプチド / バセドウ病 / 受容体抗体 / エンザイムイムノアッセイ |
|---|
| Research Abstract |
TSH受容体の細胞膜外域及び細胞外ループ状領域の8種類のオリゴペプチドを合成し(hTSH RI:639-668(ループ),R2:560-580(ループ),R4:32-56,R5:352-383,R6:160-191,R7:90-122,R8:237-294,R9:310-342),バセドウ病及び橋本病患者血の免疫グロブリンとの結合能,FRTL-5細胞のcAMP産生への影響を調べ受容体抗体の作用部位を検索した。
(1)免疫沈降反応;R6はバセドウ病検体と有意の結合の増加を示したが,R1,R3,R4,R7,R9は単独またはR6と混和した場合でも有意の増加を示さなかった。(2)固相化オリゴペプチドとの結合性;バセドウ病53例中5例が,橋本病でもTSH高値26例中4例がRIとの有意の特異的結合を示した。(3)hTSHによるFRTL-5細胞のcAMP産生に及ぼすペプチドの影響;今回どのペプチドもhTSHによるcAMP産生に有意な抑制作用はみられなかった。以上の結果より,受容体一抗体結合の検索には一次構造のみのオリゴペプチド使用では不十分で更に三次構造も考慮した蛋白構造の検討が必要と考えられた。
|
-
[Publications] Tamaki H, Amino N,Iwatani Y,Matsuzuka F,Kuma K,Miyai K: "Detection of thyroid microsomal and thyrotropin-receptor antibody and development of neonatal thyrotoxocosis." J Pediat Endcrinol. 4. 97-101 (1991)
-
[Publications] Kashiwai T, Ichihara K,Endo Y,Tamaki H,Amino N,Miyai K: "Immunological and biological characteristics of recombinant human thyrotoropin." J Immunol Method. 143. 25-30 (1991)
-
[Publications] 玉置 治夫、網野信行: "抗TSHレセプター抗体" 臨床検査. 35. 224-226 (1991)
-
[Publications] 玉置 治夫.網野信行: "甲状腺刺激ホルモン(TSH)レセプター抗体" 検査と技術. 19. 242-243 (1991)
-
[Publications] 金田 達成、玉置 治夫、日高 洋 網野 信行、光田 信明 谷澤 修、宮井 潔: "バセドウ病合併妊婦における血中甲状腺刺激活性の分析:甲状腺刺激性TSHレセプター抗体とヒト繊毛性ゴナドトロピンによる刺激活性の分別定量" 臨床病理. 40. 941-947 (1992)
-
[Publications] 玉置 治夫、戒能 通智、高田 薫 網野 信行、宮井 潔、遠藤 雄一 森山 毅、中島 敏博、今川 義孝: "TSH受容体オリゴペプチドを用いた受容体抗体の作用部位についての検討:免疫沈降法、ELISA法、生物活性中和法による比較" 内分泌学の進歩. 10. 182-183 (1993)
