1991 Fiscal Year Annual Research Report
アキシコン・デバイスを用いた長焦点深度・走査結像光学システムの開発
Project/Area Number |
03555007
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
河田 聡 大阪大学, 工学部, 助手 (30144439)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
有本 理恵子 (株)ニコン, 光学本部・光学技術開発部・第一開発課
伊藤 良延 (株)ニコン, 光機設計部, マネージャ
南 慶一郎 大阪大学, 工学部, 助手 (00221606)
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Keywords | アキシコン・プリズム / J_0ビ-ム / 非回折性ビ-ム / レ-ザ走査顕微鏡 / 超長焦点深度スポット |
Research Abstract |
1.ダイヤモンド切削により、アキシコン・プリズムの試作を行い、その性質を調べた。これによりアキシコン・プリズムは、その断面の強度分布が0次のベッセル関数となるビ-ム(以下J_0ビ-ムという)を作り出す事を確認した。J_0ビ-ムには、その強度分布が変化する事なく、つまり0次のベッセル関数の強度分布を保ったまま伝播し(これを非回折性ビ-ムという)、またそのスポットは従来のレンズの作り出すエアリ-ディスクより小さいという性質が、解析的に導出されている。我々が試作した直径1cm、頂角160°のアキシコン・プリズムでは、およそ5cmの非回折性ビ-ムを確認した。またその中心スポットの半値幅は4μmと、同じN.A.をもつレンズのスポット6μmより小さい事も確認した。以上からアキシコン・プリズムを用いる事により、従来のレンズでは不可能であった、きわめて細く、超長焦点深度スポットを形成させる事が可能となった。 2.アキシコン・プリズムを走査結像光学系に使用すべく、斜入射光に対するスポットの変化を調べた。アキシコン・プリズムにコリメ-トされたレ-ザ光を斜入射させると、そのスポットの強度分布は、水平、垂直の4方向に分割したカイト状の形状を示した。我々はまたコンピュ-タシミュレ-ションにより波面伝播を計算し、収差スポットの強度分布を調べた。 3.超長焦点深度走査結像系の応用例として、レ-ザ走査蛍光顕微鏡を試作中である。これは、Z軸走査を必要とせず、かつ高エネルギ-収集効率をもつ利点をいかし、高速回転ポリゴンミラ-を用いて、ビデオレ-トの走査システムを構成するものである。
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Research Products
(1 results)