1992 Fiscal Year Annual Research Report
アキシコン・デバイスを用いた長焦点深度・走査結像光学システムの開発
Project/Area Number |
03555007
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
河田 聡 大阪大学, 工学部, 助教授 (30144439)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
有本 理恵子 (株)ニコン, 光機設計部
伊藤 良延 (株)ニコン, 光機設計部, マネジャー
南 慶一郎 大阪大学, 工学部, 助手 (00221606)
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Keywords | アキシコン・プリズム / レーザー走査光学システム / 光リングラフィ / フォトレジスト / 0次ベッセルビーム / 収差 |
Research Abstract |
1.アキシコン・プリズムを用いたレーザー走査光学システムを試作した。この光学系は、顕微鏡の対物レンズをアキシコンに置きかえたもので、長焦点深度を実現するものである。走査機構は、X-Y-Zステージによるサンプル走査型である。このレーザー走査システムを用いて、光リングラフィの実験を行った。これは、アキシコンが生成する長焦点スポット;0次ベッセルビームを用いて、従来のレンズを用いた光学系では不可能であった、深い溝を刻むことが可能になるものである。試作したアキシコンでは、直径0.56μm,焦点深度4.38mmのレーザースポットが生成可能である。感光性試料には、フォトレジストを使用した。実際の実験では、フォトレジストを厚く塗布することができなかったため、フォトレジストを15μmの膜厚に塗布したスライドガラスを2枚重ねにし、上下のレジストに同じパターンが刻めるかどうかを確認することによって、深い溝を刻めるかどうかの検証を行った。実験の結果、厚さ1mmのスライドガラスを隔てた2枚のフォトレジストに同じパターンが刻めることを確認した。 2.アキシコンの収差についての理論解析を行った。アキシコンに入射光を斜めから入射した場合、生成されるスポットは、常に中心対称な収差スポットに変形する。よって我々は、アキシコンの収差が、従来のレンズでいうところの偶数次の収差のみから成り、奇数次の収差は存在しないと仮定した。解析は、アキシコンと等価な輪帯瞳に、波面収差関数を加え、その瞳関数から、点像分布関数を計算することにより行った。コンピュータシミュレーションにより、偶数次の収差である非点収差を加えたスポットは、アキシコン特有の十字スポットになったのに対し、奇数次の収差であるコマ収差を加えたものは、スポットが変化しなかったため、我々の仮定が正しいことが確認できた。
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Research Products
(1 results)
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[Publications] Rieko Arimoto,Caesur Sabms,Takuo Tanaka,Satoshi Kawata: "Imaging properties of axicon in a scanning optied system" Applied Optics. 31. 6653-6657 (1992)