1992 Fiscal Year Annual Research Report
キチン、キトサン及び補強材の複合化による新規医用材料の開発
Project/Area Number |
03555190
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Research Institution | Tottori University |
Principal Investigator |
重政 好弘 鳥取大学, 工学部, 教授 (00032029)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
指輪 仁之 鳥取大学, 工学部, 助手 (20205884)
岡本 芳晴 鳥取大学, 農学部, 助手 (50194410)
南 三郎 鳥取大学, 農学部, 助教授 (70032307)
田中 吉紀 鳥取大学, 医学部, 教授 (70029809)
松橋 皓 鳥取大学, 農学部, 教授 (00001529)
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Keywords | キチン / キトサン / 創傷治癒 / 成形加工 / 微粒子 / 生体内充填材 / 人工骨 / 遊走能 |
Research Abstract |
人工骨アルミナポーラスにキチン、キトサン微粒子を複合化して、犬の骨折に使用したところ、キチン或いはキトサンコーティングした人工骨の方が無処理の人工骨より血管新生が速やかであったが、キチン、キトサンの有意差を確認するにはいたらなかった。開発したスポンジタイプキチン(以下スポンジ)、フレークタイプキチン(以下フレーク)ならびに市販のベスキチンW(以下W)を用いて皮膚決損に対する効果について検討を行った。組織学的には3日目に肉芽の増生、キチンとその周囲への好中球およびマクロファージの遊走、7日目に繊稚芽細胞の増殖と表皮の新生が認められた。その後、表皮の形成が進行し、好中球およびマクロファージが減少した。Wとスポンジは組織学的には大きな差が認められなかったが、スポンジは構造上密着性、耐久性に優れ、移動も少なく、欠損面積も少ないことから小動物においてはスポンジが有用と思われた。フレークを散布したものはその治癒過程が早かったことから皮膚弁や皮膚移植の際に応用できる可能性が示唆された。密蝋、ワセリン、PEG、オリーブ油等の軟膏基材を用いて、キチン、キトサン軟膏の創傷治療剤としての応用も検討した。 幅広い抗菌スペクトルを持つオキシテトラサイクリン(以下OTC)の徐放剤開発のためin vitroでの徐放効果を検討した。OTC-キチン錠剤をDAC-67、DHP-キチン、CM-キチンで被履した場合、OTCのリン酸緩衝液への徐放性はDAC-67<DHP-キチン<CM-キチンの順で抑制された。種々の加工成形品の保水性を評価し、生体内充填材としては保水性の高いものが優れていることを明らかにした。キトサンがPMNの遊走能、貪食能を特に血清存在下で高めることを明らかにするとともに、キトサンの創傷治癒における一つの作用機転を提案した。
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