1992 Fiscal Year Annual Research Report
不斉なねじれを有する大環状単位をトリガーとする側鎖型液晶ポリマーにおける不斉増幅
Project/Area Number |
03555193
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
横田 和明 北海道大学, 工学部, 教授 (30001217)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
村瀬 一基 住友化学工業(株), 筑波研究所, 主席研究員
津田 勝幸 旭川工業高等専門学校, 助手 (80227412)
橋本 久穂 苫小牧工業高等専門学校, 助教授 (70180833)
山口 和美 苫小牧工業高等専門学校, 助教授 (00133702)
覚知 豊次 北海道大学, 工学部, 助手 (80113538)
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Keywords | 液晶ポリマー / 側鎖型液晶 / 環化共重合 / ジビニルエーテル / 軸不斉環化単位 / 不斉場 / キラルテンプレート / 側鎖不斉 |
Research Abstract |
(1)不斉環化共重合による不斉場の構築とアキラルなコモノマーの不斉場に対する効果 モノマー(M_1)とコモノマー(M_2)との環化共重合で生成したコポリマー(1)からキラルテンプレート除去後のコポリマー(3)は旋光性を有し、光学活性であった。ベンゾエート発色団のCDスペクトルから絶対配置を決定する励起子キラリティー法によって、コポリマー(1)ではR,R-ラセモの環化単位が形成されていることを確認した。すなわち、α-D-グルコピラノシドテンプレートの不斉なねじれが分子内環化で主鎖へ転写され、主鎖に不斉が誘起された。この時コモノマー(M_2)は非対称ユニットとして不斉発現の増幅に作用していた。この結果は側鎖液晶部位への不斉場の構築と伝播の重要な知見となる。 (2)側鎖型液晶部位における不斉場構築のための環化共重合 側鎖型液晶ポリマーを形成するビニルエーテル(4)と軸性キラルなテンプレートを有するジビニルエーテル(5)を環化重合することにより、液晶部位へ不斉場の組み込みを行った。ジビニルエーテルの分子内環化に対するモノマー(4)の阻害の有無を調べるため、ジビニルエーテルとモノビニルエーテルとの環化共重合を詳細に検討した。ジビニルエーテル(5)は共重合でビニル基が完全に消失し、環化率100%であった。モノマー反応性比はモノマー(5)がビニル基を1個もつとして扱うと妥当な値になった。したがってモノマー(5)の分子間付加と分子内環化は協奏的であり、コモノマーによって阻害されず、軸性キラルなテンプレートを有する不斉環化因子の組み込みの可能なことが明らかになった。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] K.Yokota: "Asymmetric induction arising from the chiral twist of 2,2′- binaphthyl template in the cyclopolymerization of divinyl ethers" Die Makromolekulare Chemie. 193. 1805-1813 (1992)
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[Publications] K.Yokota: "Chirality induction arising from the twist of template on the cyclopolymerization of 2,3-O-isopropylidene-1,4-di-O-methacryloyl-L-threitol with styrene" Die Makromolikulare Chemie,Rapid Communication. 13. 343-349 (1992)