1992 Fiscal Year Annual Research Report
多孔質ポリマーを骨格物質とする機能性マイクロカプセルの製造と用途開発
Project/Area Number |
03555201
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Research Institution | KAGOSHIMA UNIVERSITY |
Principal Investigator |
幡手 泰雄 鹿児島大学, 工学部, 教授 (00038051)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
得能 敏郎 三田工業(株), 本社技術研究所, 主任研究員
鮒子田 晃 三田工業(株), 本社技術研究所, 所長
河野 恵宣 宮崎大学, 工学部, 教授 (10040974)
愛甲 涼子 鹿児島大学, 工学部, 教務職員 (50244265)
上村 芳三 鹿児島大学, 工学部, 助教授 (60160222)
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Keywords | in situ重合法 / 界面重合 / 機能性マイクロカプセル / マイクロカプセルトナー / 二重膜 / 抽出 / 低級脂肪酸 / 高分子量アミン |
Research Abstract |
抽出マイクロカプセルの調製 水中の低級脂肪酸を回収する抽出性マイクロカプセルをin situ重合法により,全モノマー濃度1.85-3.55M,架橋剤比0.1-0.4および攪拌回転速度400-1200rpmの条件下で調製した。芯物質には抽剤であるトリオクチルアミンを,膜物質にスチレン-ジビニルベンゼン共重合体を使用した。 (1)マイクロカプセル平均径は、攪拌回転速度により大きく変化した。しかし全モノマー濃度および架橋剤比には依存しなかった。一方,マイクロカプセル平均膜厚は,全モノマー濃度の増加に伴い増加し、攪拌回転速度の増加に伴い減少した。しかし架橋剤比の影響はなかった。(2)抽出マイクロカプセルの抽出容量は液々系操作におけるトリオクチルアミンの抽出容量と同じ値を示した。さらに水中のプロピオン酸濃度依存性も液々系操作におけるそれと同様な挙動を示した。このことからマイクロカプセルに内包したトリオクチルアミンは劣化することなく抽剤として作用している。(3)抽出マイクロカプセルによるプロオピオン酸の抽出速度を測定した結果、透過係数は全モノマー濃度および架橋剤比の増加に伴い減少し、重合時の攪拌回転速度の増加に伴い減少した。 マイクロカプセルトナーの調製 in situ重合法と界面重合法を組み合わせることで内包液のもれを防ぎ、マイクロカプセルトナーとしての機能を賦与することを目的に研究を遂行した。界面重合膜として,塩化アジポイルとヘキサメチレンジアミンによるポリアミド膜及び塩化アジポイルとエチレングリコールによるポリエステル膜を使用した。これらの界面重合膜をin situ重合法によるスチレン-アクリロニトリル共重合休膜形成に引き続き行わせた。その結果、内包液のもれを防止することができた。さらにポリアミド膜を形成したマイクロカプセルトナーの帯電特性は、ポリエステル膜を形成させたものに比べ優れていることがわかった。
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Research Products
(5 results)
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[Publications] 吉沢 秀和,上村 芳三,河野 恵宣,幡手 泰雄: "Praparation and extraction properties of microcapsules containing tri-n-octyl amine as core solution" Journal of Chemical Engineering of Japan.
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[Publications] 吉澤 秀和,上村 芳三,河野 恵宣,幡手 泰雄: "抽出試薬内包マイクロカプセルによる脂肪酸の抽出特性" 化学工学シンポジウムシリーズ.
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[Publications] 河野 恵宣,横尾 勝昭,上村 芳三,羽野 忠,加藤 芳男,幡手 泰雄: "膜乳化法によるポリマー微粒子の調製" 化学工学シンポジウムシリーズ.
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[Publications] 後藤 雅宏,中塩 文行,岩間 道夫,上村 芳三,幡手 泰雄: "金合脂質を利用した機能性マイクロカプセルの調製" 化学工学シンポジウムシリーズ.
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[Publications] 幡手 泰雄,岡江 寿朗,上村 芳三,河野 恵宣,畑中 千秋,井手 俊輔,原口 俊秀: "分散重合による微小高分子球の機能化" 化学工学論文集. 18. 382-385 (1992)