1992 Fiscal Year Annual Research Report
発蛍光性不斉誘導体化試薬を用いた光学活性化合物の超微量立体配置解析システムの開発
Project/Area Number |
03556014
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
目黒 煕 東北大学, 農学部, 教授 (30005590)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
坂柳 信之 日本分光工業, 第2事業部・システム一課, 研究員
赤坂 和昭 東北大学, 農学部, 助手 (10201881)
西田 芳弘 東北大学, 農学部, 助手 (80183896)
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Keywords | キラルカルボン酸 / キラル誘導体 / 蛍光ラベル / 高速液体クロマトグラフィー |
Research Abstract |
昨年度ラベル化条件を設定できた20種類の異なるアミノ酸について、HPLC、NMR,CDを用いた分析を行ない、 (1)プロリンとトリプトファンを除くすべてのアミノ酸は、シリカゲルカラム(n-ヘキサン:メタノール)を用いてD,L-分離を可能とすることを明らかとした。 (2)同条件において、セリンとスレオニンを除くすべてのアミノ酸においてD-型が先に溶出することを見いだした。 (3)NMR分析においてすべてのアミノ酸のD,L-配置並びにその光学純度を決定できることを明らかとした。 (4)円二色性スペクトル(CD)分析を行ない、芳香族アミノ酸(Tyr,Phe,Trp)が、D型では、負のL型では正の分裂型コットン効果を230nm付近に与えることを明らかとした。 以上の知見をデータベースとし、現在、すべてのアミノ酸、HPLC-CD、NMRによる分析システムの構築を検討中である。 TBMB試薬の糖分析システムの開発を検討するため、昨年度ラベル化を行なったTBMB化糖の、HPLC,NMR,CD分析をアミノ酸と同様にして行ない、以下の結果を得た。 (5)検討を行なったすべての中性糖のD,L-異性体が逆相型HPLC(ODSカラム、アセトニトリル:水:イソプロパノール)において分離分析可能であることをあきらかとした。 (6)NMR分析により、糖誘導体の絶対立体構造を明らかとする方法を確立した。 (7)CD分析において、TBMB化糖の立体配置とCDの符号を関連づけた経験則を見いだし、HPLC-CDを組合せた糖の立体構造微量分析が可能であることを示した。 アミノ酸と糖分析の他に、分析データベースの拡張のため、グリセロール誘導体を含む7種類のアルコールの誘導体化を行ない、NMRによって分析が可であることをあきらかとした。
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