品質判定機能を有する農産物ハンドリング用知能ロボットシステムの開発

1992 Fiscal Year Annual Research Report

• Project/Area Number: 03556034
• Research Institution: Kyoto University
• Principal Investigator: 池田 善郎 京都大学, 農学部, 教授 (50026465)
• Co-Investigator(Kenkyū-buntansha): 有馬 博 信州大学, 農学部, 教授 (40021068) ; 西津 貴久 京都大学, 農学部, 助手 (40228193) ; 広瀬 正明 京都大学, 食糧科学研究所, 教授 (60026523)
• Keywords: 非破壊検査 / 農産物 / 音波 / 衝撃 / 近赤外線 / ニューラルネットワーク / 開花 / フラクタル次元

Research Abstract

1)農産物の衝撃荷重に対する特性を、実験結果及び有限要素法による波動方程式の数値解とで比較検討した結果、リンゴについては、芯部空洞の影響が衝撃伝播特性を左右することが判明した。また大根のように繊維を多く含むものについては、たとえ不均質粘弾性体を考慮しても数値解と実験結果の不一致は大きく、今後は非等方性等を考慮しても波動モデルの検討が必要であることがわかった。
2)農産物に含まれている糖分と有機酸含有量を非破壊的かつ定量的に推定するために近赤外線の反射特性を利用することを試みた結果、推定値と実測値の間には0.73〜0.96の高い相関があることを判明し、非破壊的に推定可能であると思われる。
3)農産物の体積を音波で推定する方法を検討し、水の体積推定値と実測値の相関係数として0.99以上を得た。穀類・果実等にも応用し、推定精度の検討を行った結果、リンゴ及びぶどうの房については相関係数0.968、小豆については、0.992であった。
4)花卉の開花度をニューラルネットワークにより判定するシステムを開発した。バラについて判定した結果、人間の判定結果の一致割合は<75%〜91%であった。また、花卉のように微妙な色差のあるものの色による画像分割手法としてクラスター分析を応用したが、十分実用的な分割(花弁・がく片・がく片カール部の識別)が可能であった。
5)精米の搗精度合いを定量的に評価するために、精米表面のSEM画像のフラクタル次元をFourierスペクトルより推定し、白度との関係を調べた結果、定量評価の可能性が見いだせた。
6)ソウル国立大学・国立台湾大学の研究者と、農業用ロボットの視覚とアームに関する共同研究を実施した。

Research Products

• [Publications] I Wayan Budiastra,Ikeda,Y.,Nishizu,T: "The Scatter Coefficients as Quality Indices of Fruits" 第51回農業機械学会年次大会講演要旨. 301-302 (1992)
• [Publications] Nishizu.T,Ikeda,Y: "Determination of Volume of Agricultural Products by Acounstic Method" Proceedings of JICA-IPB 5th Joint Seminar at Bogor Agricultural University. 5. B220-B225 (1992)
• [Publications] Ikeda.Y.,I Wayan Budiastra,Nishizu,T.: "On Predicting Concentraticn of Indevidual Sugars anfd Malic Acid of the Fruits by Near-Infrared Reflectance Spectrometry" Proceedings of JICA-IPB 5th Joint Seminar at Bogor Articultural University. 5. B226-B232 (1992)
• [Publications] Nishizu,T.,Ikeda,Y.: "Measurement of Acoustic Non-Linear Parameter B/A to Estimate Composition of Liquid Food" Proceedings of International Agricultural Conference at Asian Institule of Technology.Bangkok,Thailand. 549-554 (1992)