1991 Fiscal Year Annual Research Report
生鮮農産物用二元調湿換気式冷蔵倉庫と高湿度冷蔵技術の開発
Project/Area Number |
03556035
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Research Institution | Kagoshima University |
Principal Investigator |
田中 俊一郎 鹿児島大学, 農学部, 助教授 (80041664)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
橋口 隆 (株)インフラテック, 主任研究員
山元 保夫 ウエットマスター株式会社, 社長兼研究室長
松本 丘 日立冷熱株式会社, 品質管理室長
守田 和夫 鹿児島大学, 農学部, 助教授 (70210169)
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Keywords | 生鮮農産物 / 高湿度冷蔵 / 換気 / 結露 / 貯蔵前殺菌 / ヒ-トポンプ / 超音波加湿器 / 全熱交換型換気扇 |
Research Abstract |
1.研究目的この研究は、換気しても産物表面に結露することなく低温高湿度の維持が可能で、冷風はもちろん温風と温水が得られる二元調湿換気式冷蔵倉庫を開発する一方で、貯蔵前の殺菌処理技術を確立して、本本式と高湿度冷蔵技術の実用化を計ることを目的とする。 2.研究計画1)建屋、冷蔵室、ヒ-トポンプ、全熱(顕熱)交換型換気扇および超音波加湿器からなる二元調湿換気式冷蔵倉庫のシステム設計を行う。これに差圧通風予冷の機能を持たせる。2)前処理用の温水が得られるヒ-トポンプシステムの設計製作を行う。3)超音波加湿器と全熱交換型換気扇を組合せた加湿・制御方式を考案する。4)冷蔵室はカビが繁殖しにくい材料にし、本方式による冷蔵倉庫を建設する。5)空気の冷却、加熱、加湿、換気、および水温上昇性能を測定する。6)イチゴを真空処理した後に本方式で貯蔵し、その間の品質を測定することによって貯蔵条件を知る。 3.研究成果1)本方式による冷蔵倉庫を2棟建設した。面積はいずれも2坪型で、一方は2psの冷凍機を用いた冷風と温風が得られるシステムであり、他方は3psの冷凍機を用いた冷風と温水が得られるシステムである。性能試験の結果、冷蔵室内は15〜20分間で0℃まで冷却され、45分間で45℃に達した。一方では、200lの水が2.5時間後に18℃から39℃に昇温した。昇温限界は60℃であった。2)加湿器を従来のヒュ-ミディの代わりにタイマで換気扇とともに制御することによって95%RH以上を維持し、見かけの高湿度による目減りを防止できる目途が立った。3)冷蔵室を農業用ビニ-ルで製作するだけで、冷蔵室は換気しても結露しない状態が得られた。4)イチゴは本方式によれば目減りも少なく40日間貯蔵できる見通しが立った。 4.展望詳細な性能試験と最適操作体系の確立が必要である。
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