1992 Fiscal Year Annual Research Report
環境適応行動の長期間・自由行動動物における多元的解析システムの開発
Project/Area Number |
03557009
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
堀 哲郎 九州大学, 医学部, 教授 (00022814)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松村 英生 株式会社エイコム, 開発部長
片渕 俊彦 九州大学, 医学部, 助手 (80177401)
清水 宣明 九州大学, 医学部, 講師 (50019634)
粟生 修司 九州大学, 医学部, 助教授 (40150908)
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Keywords | 脳マイクロダイアリシス法 / 脾臓マイクロダイアリシス法 / ノルアドレナリン / セロトニン / テレメーター / ストレス / 不安誘起物質 / 抗不安薬 |
Research Abstract |
自由行動動物における環境適応行動の長期間多元的解析システムの開発と応用を目的とし、以下の成果をあげた。(1)脳マイクロダイアリシスシステムの完成:本システムは(a)高速液体クロマトグラフ、(b)電気化学検出器、(c)脳マイクロダイアリシス装置(脳実質から細胞外液を透析膜を介して採取し、オートインジェクターにて上記の(a)に注入)から構成され、サンプリングから注入、解析までが完全自動で行うので、動物を直接取り扱う必要がなく、動物に対するストレスも殆どないという特徴がある。前年度に続きノルアドレナリン(NA)とその代謝産物の回収、分析法の確立に主力をおいた。従来のカラムを用いたNA分析法ではNAの保持時間が短くフロントピーク、代謝産物(MHPG)ピークの妨害が障害となっていたが、ODSカラムの改良及びそれに伴う移動相の調整によりNAのピークを完全に分離する事ができ、以下の実用に供した。(2)無麻酔・自由行動下動物における脳マイクロダイアリシス解析の実用化:本装置を用い自由行動下ラットの前頭前野NA動態を解析した。標準物質として注入したNAと保持時間が完全に一致するクロマトピークが(a)methamphetamine、desipramineを潅流液中に投与すると増大する、(b)高K^+液の潅流により増大する、(c)無Ca^<++>リンガー液の潅流、TTX、α-methyl-p-tyrosineの投与により減少する、(d)背側前脳束切断で消失するなどから前頭前野神経終末から放出されたNAと同定できたので、ストレス、不安誘起物質、抗不安薬投与などに対するNA動態解析に応用、成功した。同様に、セロトニンの回収分析にも成功した。(3)脾臓マイクロダイアリシス装置の完成:ダイアリシス法を脾臓に応用し、自由行動動物において、脾臓交感神経終末からのNA放出動態解析に成功した。(4)テレメーターによる体温、心電図及び運動レベルの記録システムの開発:送信器を腹腔内埋め込みし、体温、心電図、運動レベルを長期記録解析した。
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Research Products
(8 results)
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[Publications] Shimizu,N.: "In vivo measurement of hypothalamic serotonin release by intracerebral micodialysis:significant enhancement by immobilization stress in rats." Brain Research Bulletin. 28. 727-734 (1992)
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[Publications] Hori,T.: "Effects of temperature and neuroactive substances on hypothalamic neurones in vitro:possible implications for the induction of fever." Physiological Research. 41. 77-81 (1992)
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[Publications] Take,S.: "Central interferonα suppresses the cytotoxic activity of natural killer cells in the mouse brain." Annals of New York Academy of Sciences. 650. 46-50 (1992)
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[Publications] Takaki,A.: "Feeding suppression elicited by electrical and chemical stimulations of monkey hypothalamus." American Journal of Physiology. 262. R586-R594 (1992)
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[Publications] Katafuchi,T.: "Roles of sympathetic nervous system in the suppression of cytotoxicity of splenic natural killer cells in the rat." Journal of Physiology(London). (1993)
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[Publications] Take,S.: "Central interferonα inhibits the natural killer cytotoxicity through sympathetic innervation." American Journal of Physiology. (1993)
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[Publications] 堀 哲郎: "「生気象学の事典」(日本生気象学会編)分担執筆“体温調節の中枢機序"194-195頁" 朝倉書店, 447 (1992)
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[Publications] 堀 哲郎: "「Annual Review免疫1992」(菊池 浩吉,矢田 純一,奥村 康編)“免疫系ー神経系相互作用"(165-174頁)" 中外医学社, 289 (1992)