1993 Fiscal Year Annual Research Report
アパタイト・ポリマー傾斜材料による人工歯・骨の開発研究
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03557082
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
青木 秀希 東京医科歯科大学, 医用器材研究所, 教授 (80014166)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
榎本 昭二 東京医科歯科大学, 歯学部第二口腔外科, 教授 (40013940)
今井 庸二 東京医科歯科大学, 医用器材研究所, 教授 (50013975)
中村 聡 東京医科歯科大学, 医用器材研究所, 助手 (40227898)
大柿 真毅 東京医科歯科大学, 医用器材研究所, 助手 (50223748)
赤尾 勝 東京医科歯科大学, 医用器材研究所, 助教授 (50143607)
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Keywords | ハイドロキシアパタイト / 各種ポリマー / 複合傾斜材料 / ハイドロキシアパタイト・セルロース複合材料 / ハイドロキシアパタイト・Bis-GMA複合材料 / ハイドロキシアパタイト微粉末・医療用シリコーンゴム複合材料 / 生物学的安全性試験 / アミノ酸の吸着 |
Research Abstract |
ハイドロキシアパタイトと各種ポリマーによる複合材料の開発を行い、これらの材料の力学的特性を明らかにするとともに、動物や細胞を用いた生物学的安全性試験を行った。開発した複合材料は、ハイドロキシアパタイト・セルロース複合材料、多孔質ハイドロキシアパタイト・Bis-GMA複合材料、ハイドロキシアパタイト微粉末・医療用シリコーンゴム複合材料の3種類である。また、複合材料作製のための基礎的研究として、ハイドロキシアパタイトとアミノ酸、薬剤の吸着特性を調べた。 ハイドロキシアパタイトとアミノ酸の吸着と不斉認識能を調べた結果、親水性に富むアミノ酸はよく吸着し、L体を吸着しやすいことを明らかにした。これは、薬剤に対しても認められ、さらに、薬剤吸着ハイドロキシアパタイトは、DDSへの応用が可能であることを明らかにした。また、ハイドロキシアパタイト・セルロース複合材料は、著しく容易な操作性を示し、イヌ下顎骨埋入試験の結果、ハイドロキシアパタイト単体と同様、長期にわたり生体親和性を示すことが明らかになった。ハイドロキシアパタイト・Bis-GMA複合材料では、L細胞を用いた細胞学的安全性試験の結果Bis-GMA複合材料単体に対する細胞増殖率に比べ、複合材料に対する細胞増殖率は高く、生物学的安全性が向上することを明かとした。合成ハイドロキシアパタイト微粉末・医療用シリコーンゴム複合材料の引っ張り強さはハイドロキシアパタイト添加量増加にともない低下した。イヌ皮下での組織反応観察では、埋入1ヵ月後までには炎症反応が見られたが、その後緩やかに炎症が収まり、埋入6ヵ月後での被膜の厚さは、ハイドロキシアパタイト添加15wt%で最も薄くなることが明かとなった。 開発した複合傾斜材料はいずれもハイドロキシアパタイト単体と同様の生体親和性を示し、ハイドロキシアパタイト単体の欠点である操作性の難点、破壊靭性の低さを補いうるものであった。
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