1993 Fiscal Year Annual Research Report
フレーム溶射によるアパタイトコーティングチタン人工歯根の開発と実用化に関する研究
Project/Area Number |
03557088
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Research Institution | Showa University |
Principal Investigator |
道 健一 昭和大学, 歯学部, 教授 (40013891)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松井 義郎 昭和大学, 歯学部, 助手 (10181687)
大野 康亮 昭和大学, 歯学部, 助教授 (30112725)
岡野 友宏 昭和大学, 歯学部, 教授 (20124688)
宮下 元 昭和大学, 歯学部, 教授 (60014122)
山縣 健佑 昭和大学, 歯学部, 教授 (60013893)
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Keywords | ヒドロキシアパタイト / フレーム溶射法 / 人工歯根 / 口腔癌 / 術後機能 |
Research Abstract |
本研究では最近開発されたヒドロキシアパタイト溶射法のひとつであるフレーム溶射法を応用して、ヒドロキシアパタイトコーティングチタン人工歯根を開発した。本人工歯根について基礎的検討を加え、同時に2ピースタイプ人工歯根、各種パーツ、専用器具などからなるシステムを考案、制作し、さらに臨床応用を計った。歯の欠損19例、悪性腫瘍4例、唇顎口蓋裂1例に対し、フィクスチャー埋入術を施行した。フィクスチャーの埋入症例は、19〜72歳、平均50.6歳、男性8例、女性16例である。現在、上部構造は17例に対して、27装置(仮着を含む)の作製を行っている。可撤式では全部床義歯、部分床義歯を合わせて15装置で、マグネットタイプ(12装置)、Oリングタイプ(2装置)、コーヌスタイプ(1装置)である。固定式ではすべてフリースタンディング(人工歯根のみ)で、12装置である。特にマグネットタイプのアタッチメントは、上顎無菌顎患者も十分に強力な維持力が得られ、開口時の安定性も良好であり、咀嚼および発音機能の改善も十分行うことができた。インプラントの術後の経過観察のための検査としては、スクリーニングとしてパノラマエックス線写真を撮影し、さらに、微妙な骨吸収の把握のために、フィクスチャーに対し、平行法による口内法撮影を行っている。歯周病学的評価を行い得た症例は現在7名である。今回のリコール間隔決定の指標としては、歯周病関連菌の有無を採用した。初診時全患者において、歯周病関連菌は検出されなかったが、来院間隔が開くにつれて検出率は上昇した。現在最長のリコール間隔は3か月であるが、これ以上のリコール間隔では検出率が上昇する傾向が認められた。これらの基礎的ならびに臨床的検討より本システムの実用化を計ることができたものと考えられた。
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[Publications] 関,健次: "X線CTによる顎顔面部の多断面再構築法に関する研究" 昭和歯学会雑誌. 12巻2号. 109-121 (1992)
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[Publications] 大野,康亮・道,健一 他: "フレーム溶射によるヒドロキシアパタイトコーティングチタン人工歯根の開発と組織所見" 日本口腔科学会雑誌. 41巻1号. 71-79 (1992)
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[Publications] 松井,義郎・道,健一 他: "フレーム溶射によるアパタイトコーティングチタン人工歯根とチタン製人工歯根の比較検討-顎骨内埋入後の組織所見について-" 日本口腔科外学会雑誌. 39巻2号. 41-48 (1993)
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[Publications] 中村,好宏: "海面骨骨髄細片とアパタイト顆粒との混合物移植部への人工歯根の適用に関する実験的研究" 日本口腔外科学会雑誌. 39巻6号. 36-50 (1993)
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[Publications] 劉,守・道,健一 他: "吸収性人工膜による組織誘導再生法の即時インプラントへの応用" 日本口腔外科学会雑誌. 39巻9号. 28-36 (1993)