1992 Fiscal Year Annual Research Report
新しい抗アレルギー活性物質ブリオノール酸のバイオ生産と医薬開発
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03557095
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Research Institution | KYOTO UNIVERSITY |
Principal Investigator |
田端 守 京都大学, 薬学部, 教授 (60025682)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
上硲 和輔 武庫川女子大学, 薬学部, 教授 (60085280)
田中 重雄 京都大学, 薬学部, 助教授 (30115878)
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Keywords | ウリ科 / 植物細胞培養 / トリテルペン / ブリオノール酸 / 生合成 / 分泌 / 抗アレルギー作用 / 構造活性相関 |
Research Abstract |
今年度の成果のうち重要と思われるものを、以下に個条書きで記す。 1.スイカ培養細胞は、外部から投与した放射活性の酢酸やメバロン酸を速やか(10分以内)に最終産物であるブリオノール酸(BA)に変換し、十数段階からなると想定される反応過程中の中間体をほとんど蓄積しない。これらの結果は、本生合成系が高度に組織化され、中間物質を漏出することなく円滑に進行することを示唆する。 2.スイカ培養細胞から細胞分画法により得た10000xg上清にメバロン酸を投与すると、トリテルペン骨格を有する最初の中間体と推定されるisomultiflorenol、さらに29位のメチル基の酸化が順次進行した化合物のアルコール体、アルデヒド体、及びBAが検出された。これらの実験結果と生細胞を用いたトレーサー実験により、推定生合成経路を明らかにすることができた。ちなみに、この無細胞反応系は、ATP,Mg^<++>,NADPHを必要とする。 3.BA生合成の鍵酵素と考えられるサイクラーゼの活性をミクロソーム画分に見出した。また、BAの細胞内局在性を検討した結果、約2/3が細胞壁画分に蓄積していることが判明した。これらの結果は、BAが小胞体あるいは関連小器官で生合成され、細胞膜外への輸送過程を経て、細胞壁に蓄積されることを示唆している。 4.ヘチマ培養細胞が細胞壁に分泌、集積したBAを可溶化するため、FC-43 emulsion(人工血液)を培地に添加したところ、BAは速やかに培地中に移行することがわかった。FC-43 emulsionは、細胞の生長や物質生成にほとんど影響を示さなかったことから、極めて低毒性の溶解補助剤として有用であると考えられる。 以上、生合成経路と調節因子の解析、細胞内輸送の解明を通して得た成果をもとに、ヘチマやスイカ培養細胞の特異な分泌特性を活用した、目的二次代謝産物の細胞外放出による新しいバイオ生産方式が可能となった。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] Shigeo Tanaka: "Anti-allergic effect of bryonolic acid from Luffa cylindrica cell suspension cultures" Planta Med.57(6). 527-530 (1991)
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[Publications] 田端 守: "ヘチマの薬理活性成分の探索とバイオ生産" 現代東洋医学. 13(2). 134-137 (1992)
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[Publications] H.J.Cho: "Formation of bryonolic acid in cucurbitaceous plants and their cell cultures" Phytochemistry. 31(11). 3893-3896 (1992)
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[Publications] M.Tabata: "Production of anti-allergic triterpene,bryonolic acid,by plant cell cultures" J.Nat.Prod.(1993)
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[Publications] H.J.Cho: "Biosynthesis of bryonolic acid in cultured cells of watermelon" Phytochemistry. (1993)
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[Publications] J.Shimakura: "Intracellular distribution of the hydrophobic triterpene bryonolic acid in cultured cells of Luffa cylindrica L." Plant Cell Rep.(1993)