1992 Fiscal Year Annual Research Report
レーザ・システムを応用した非侵襲的光ブドウ糖センサの開発-小型化へのデザイン設計
Project/Area Number |
03557119
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Research Institution | KUMAMOTO UNIVERSITY |
Principal Investigator |
七里 元亮 熊本大学, 医学部, 教授 (00028515)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
榊田 典治 熊本大学, 医学部附属病院, 助手 (50170577)
岸川 秀樹 熊本大学, 医学部附属病院, 助手 (30161441)
竹田 晴生 熊本大学, 医学部, 講師 (80155019)
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Keywords | フーリエ変換赤外分光 / 減衰全反射装置 / 口唇粘膜 / 非侵襲的血糖計測 / 人工膵島 / 炭酸ガス・レーザ / 差スペクトル法 |
Research Abstract |
研究者らは,フーリエ変換赤外(FTIR)分光計内に減衰全反射装置を介在させ得られる口唇粘膜吸光スペクトルを解析することにより,生体外からの非侵襲血糖値モニタリングが可能であることを示した。しかし,本システムは,携帯型または植え込み型人工膵島の血糖計測部門として開発それ,臨床応用のためには,測定システムの小型化及び低血糖域での測定精度の改善が不可避の問題点である。しかし,従来型のフーリエ変換赤外分光計において赤外光源として採用されているニクロム体は連続スペクトルをなしており,このスペクトルの連続性がスペクトル解析のための大容量のコンピュータ・システムと長光路を要求し,システムの小型化の妨げになっている。さらに,スペクトル曲線の基線・ドリフト,光源強度の動揺性による精度劣化の因ともなっている。これらの諸問題点を解決するために,レーザ光源の導入が以前より示唆され,レーザ光源を用いた測定器の試作,及び試作測定器によるブドウ糖水溶液,採血試料中のブドウ糖濃度の測定がなされているが,一波長測定であるために,血液中干渉成分の存在により,高精度の血糖測定を実現化されていない。研究者らは,炭酸ガス・レーザ光が960cm^<-1>にある主成分と,近傍にブドウ糖固有吸光バンドと重なるいくつかの副成分を有することに着目し,フーリエ変換赤外分光分析システムに炭酸ガス・レーザ光源を導入,レーザ出力の安定性,高出力レーザ光からの測定器破壊防止機構,システムの恒温維持機構,及び口唇粘膜部位でのレーザ光発散装置の開発及び試作を行い,ニクロム体光源において研究者らが開発した差スペクトル法によるブドウ糖信号の分離法,口唇粘膜-プリズム接着強度変化に伴う吸光スペクトル変化の補正法を用いることにより,血液試料,口唇粘膜吸光スペクトル解析による高精度の非侵襲的血糖測定法を確立し得た。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] Kajiwara K.et al.: "Spectroscopic quantitative analysis of blood glucose by Fourier transform infrared spectroscopy with an attenuated total reflection prism." Medical progress through technology. (1992)
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[Publications] Kajiwara K.et al.: "Non-invasive Measurement of Blood Glucose Concentrations by Analysing Fourier Transform Infrared Absorbance Spectra through Oral Mucosa." Medical & Biological Engineering & Computing. (1992)