1991 Fiscal Year Annual Research Report
遺伝子工学的および臨床生化学的手法での腎症候性出血熱疾患モデルマウスの病態の解析
Project/Area Number |
03558009
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
有川 二郎 北海道大学, 免疫科学研究所, 助教授 (10142704)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
伊勢川 裕二 大阪大学, 微生物病研究所, 助手 (20184583)
石原 智明 酪農学園大学, 獣医学科, 助教授 (90082172)
吉松 組子 北海道大学, 免疫科学研究所, 技官(教務職員) (90220722)
板倉 智敏 北海道大学, 獣医学部, 教授 (30021695)
橋本 信夫 北海道大学, 獣医学部, 教授 (60082103)
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Keywords | 腎症候性出血熱 / ハンタウイルス / 動物モデル / Scidマウス / PCR / ウイルス感染 / 動物実験 / 臨床生化学 |
Research Abstract |
1.ICR系とBALB/cの哺乳マウス,ICR系,BALB/c,C57BL/6,重症複合型免疫不全(CB-17 Scid)の各成熟(4〜6週齢)マウスに腎症候性出血熱ウイルス(Hantaan virus)を実験感染させ感受性を比較検討した.その結果,ICR系とBALB/cの哺乳マウスおよびCB-17 Scid成熟(6週齢)マウスがHantaan virus接種によって発症,死亡することが明らかになった. 2.それら発症・死亡マウスはいずれも,腎臓をふくむ全身諸臓器中にウイルス抗原が分布していることが酵素抗体法による免疫組織学的検索によって確認された.また,腎機能障害を示す血液尿素窒素(BUN)値のわずかな上昇も認められたことから,ヒトと同様の腎症候を伴う疾患モデルであることが判明した. 3.感染動物組織からのウイルス分離を実施し,発症マウスの肺や脾臓から高率にウイルスを分離する技術系を確立した.今後,分離成績と次項で述べるPCR法の成績を比較することによって,発症マウスの感染病態を明らかにする予定である. 4.遺伝子増幅法(PCR)でHantaan virusのウイルス核酸を検出するために最も感度の高いプライマ-の塩基配列が決定された.さらに,それを用いて感染動物臓器中からウイルス核酸をPCR法によって検出するための基礎的条件,ならびに技術が確立された.現在,本法によって実験感染マウス主要臓器中におけるウイルスの消長を検討している.
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Research Products
(4 results)
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[Publications] Yao,J.S.: "Antibody dependent enhancement of hantavius infection in macrophage cell lines." Archives of Virology. 122. 107-118 (1991)
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[Publications] Kobayashi,K.: "Renal lesions in rats infected with Rattus serotype hantarius (SR-11 strain)." Journal of Veterinary Medicine. B38. 657-664 (1991)
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[Publications] Mori,F.: "Pathological studies on central nervous tissues of rats infected with Rattus serotype Hantavius (SR-11 strain)." Journal of Veterinary Modicine. B38. 665-672 (1991)
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[Publications] Arikawa,G.: "Protective role of antigenic sites on the envelope protein of Hantaan virus defined by monoclonal antibodies." Archives of Virology. (1992)