1991 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
03558029
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Research Institution | Yokohama National University |
Principal Investigator |
阿久津 秀雄 横浜国立大学, 工学部, 教授 (60029965)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
黒田 幸夫 (株)日本ブルカー, 技術サービス部, 部長
河合 剛太 東京大学, 工学部, 助手 (70211860)
仁木 克己 横浜国立大学, 工学部, 教授 (00017899)
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Keywords | 固体NMR / 生体超分子システム / 重水素NMR / 固体用プロ-ブ / 重水素化リン脂質 / 超伝導NMR |
Research Abstract |
本年度の研究は計画にそって、ほぼ順調に進んでいる。本研究費補助金で購入した多核積測定装置を既設のブルカ-AM400装置に組み込み重水素、炭素B等の測定システムをセットアップした。次に、やはり本研究費補助金で購入した重水素核用プロ-ブヘッドシェルを用いて、重水素用の固体NMRプロ-ブを設計、試作した。同時に、これらのシステムを使って、固体重水素NMRを測定する為のパルスシ-クエンス等の測定用ソフトをつくり、固体重水素NMR測定用基本システムのセットアップを完了した。このシステムを用いて、重水素用固体プロ-ブヘッドの性能を検討したところ、90゚パルスは約12μsとかなり長いものであった。そこで、マッチングボックス、プロ-ブ内のコンデンサ-等の図路を簡素化するとともに耐圧化したところ、90゚パルスは約4μsまで短くすることができた。しかし、この場合、コイルはソレノイドタイプであり、鉛直方向とは直向している。これは通常の固体NMRプロ-ブヘッドで使われているデザインである。固体NMRシステムが正しくセットアップされているかどうかは、通常の固体NMRプロ-ブが正しく働くかどうかによって知ることができる。 次に生体超分子システム用プロ-ブのデザインを検討するために、その試料となる重水素化リン脂質の合成を行った。まず、重水素化グリセロ-ルを合成し、これをグリセロ-ル要求性大腸菌の培地に加えることにより、大腸菌のリン脂質のグリセロ-ル骨格の選択的重水素化を行った。このようにして得た菌体から、フォスファチジルエタノ-ルアミン、カルジオリピンを単離精製した。 現在このようにして得た脂質二重膜を試料として、プロ-ブのデザインの検討を進めている。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] H.Akutsu,T.Nagamori: "Conformational analysis of the polar head groupin phosphatidgecholine bilayers:A structural change induced by cations." Biochemistry. 30. 4510-4516 (1991)
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[Publications] J.-S.Park,K.Kano,Y.Morimoto,H.Higuchi,N.Yasuoka,M.Ogata,K.Niki and H.Akutsu: "HNMR studies on ferricytochrome c_3 from D.unlgaris Miyazaki F and its interaction with terredoxin I" J.Biomol.NMR,. 1. 271-282 (1991)