1991 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
03610119
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Research Institution | Joetsu University of Education |
Principal Investigator |
村中 義夫 上越教育大学, 学校教育学部, 教授 (30174311)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大庭 重治 上越教育大学, 学校教育学部, 助教授 (10194276)
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Keywords | 視覚障害児 / 空間認識 / 発達 |
Research Abstract |
本研究は、先天性の重度視覚障害児を対象にして、物に手を触れることを学ぶ段階から図形の認知やさらには屋外のより広い空間を移動する能力を学ぶ段階に至る発達過程を実際に定期的な指導を行うことによって追跡し、視覚障害児における触運動に基付く空間的砕組みの形成過程とその形成を促す幼児期の有効な指導方法を体系的に検討することを目的としている。具体的には、視覚障害児の教育の場やその指導内容に関する実態調査と、抽出した視覚障害児における空間認識の発達に関する研究を実施した。このうち、前者の実態調査については、盲学校、保健所、眼科医等の協力を得ながら現在も実施している段階である。また、後者の空間認識の発達に関する研究については、平成3年度は特に空間的枠組みの獲得における最初の段階である室内の移動や物の触り方の習得過程を検討した。その結果、視覚障害児における空間認識の発達評価においては、(1)手操作の状態、(2)移動能力(歩行)の状態、(3)空間概念(前後、左右などの知識)の状態、(4)空間表現(ブロック、描画など)の状態、の4つの観点から分析していくことが適当であるとの知見を得た。また、指導に使用する教材や言葉かけの内容等についても、発達的な状況に応じて検討した。たとえば、手操作については、そのバリエ-ションを増やすための教材、両手を用いるための教材等を自作し、その効果を検討している。その他、触探索による弁別学習、触空間内の位置の定位、点字の基礎学習、オプチスコ-プによる残存視力の活用、歩行空間の拡大等に関して検討中である。平成4年度は平成3年度実施の研究を継続して行い、空間的枠組みを獲得させるための有効な指導方法について体系的に整理していく予定である。
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Research Products
(1 results)