• Search Research Projects
  • Search Researchers
  • How to Use
  1. Back to project page

1991 Fiscal Year Annual Research Report

「エネルギ-産業における競争的市場の形成に関する研究」

Research Project

Project/Area Number 03630035
Research InstitutionNagoya Gakuin University

Principal Investigator

野村 宗訓  名古屋学院大学, 経済学部, 助教授 (00198631)

Keywordsエネルギ- / 電力産業 / リストラクチャリング / プ-ルシステム / 競争促進 / 民営化企業 / M&A / 黄金株(ゴ-ルデンシェア)
Research Abstract

平成3年度は主としてイギリスのエネルギ-産業を考察の対象とし、次の2つの研究に取り組んできた。一つは石油産業での民営化企業をめぐるM&Aであり、もう一つは電力産業でのリストラクチャリングを通した競争促進である。第1に、本来、市場において競争が機能する石油産業で、イギリス政府が極めて保護主義的な判断を示した事例を詳細に調査した。政府は1988年のBP/Britoilケ-スにおいて、国内の民営化企業同士の合併を容認した。更に、KIO/BPケ-スでは、政府は民営化企業に対する外資系企業の株式取得を制限する勧告を行った。民営化政策は国有企業の株式を売却し、政府の関与を排除することや、民間企業を市場機構の中での競争に晒し、効率性インセンティヴを付与することを目的としていた。しかし、政府が実際に石油産業において採用した措置はそのような目的とは矛盾している。本研究では、石油産業のM&A事件を題材にイギリス独禁政策の運用や民営化政策の一環として考案された「黄金株」(ゴ-ルデンシェア)を批判的に検討した。第2に、従来、自然独占であると考えられてきた電力産業で、競争を促進するために採用されたリストラクチャリングを分析した。政府は1988年に民営化白書を公表し、イングランド・ウェ-ルズにおける電力事業にリストラクチャリングを適用する構想を固めた。1983年エネルギ-法によって新規参入は制度的に可能となったが、実際には独占的な国有企業であるCEGBの優位性により参入者は現われなかった。その後、1989年電力法に基づき、1990年3月31日にCEGBは分離・分割された。発電部門における法的独占は撤廃され、新規参入は自由化された。現在、送電会社により運営されるプ-ルシステムが電力取引の調整を果たしている。また、供給部門では段階的に競争促進が進められ、1998年以降に完全な自由化が実現される予定である。本研究では、イギリス電力産業の考察を日米のエネルギ-産業における規制緩和問題を考慮する基盤としている。

  • Research Products

    (2 results)

All Other

All Publications (2 results)

  • [Publications] 野村 宗訓: "「イギリス民営化企業に対する政府介入ー「黄金株」の問題を中心としてー」" 名古屋学院大学論集 社会科学篇. 28. 31-52 (1991)

  • [Publications] 野村 宗訓: "「イギリス電力産業におけるリストラクチャリングと競争促進ー卸売市場でのプ-ル・システムと小売市場での直接供給を中心としてー」" 公益事業研究. 43. 43-71 (1992)

URL: 

Published: 1993-03-16   Modified: 2016-04-21  

Information User Guide FAQ News Terms of Use Attribution of KAKENHI

Powered by NII kakenhi