1991 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
03640281
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Research Institution | Toho University |
Principal Investigator |
桂川 秀嗣 東邦大学, 理学部, 助教授 (70130359)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
箕輪 達哉 東邦大学, 理学部, 講師 (10181968)
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Keywords | 共鳴イオン化分光法 / 飛行時間・質量分析法 / 原子ビ-ム / 宇宙線生成同位体 / 超高感度検出 / ^<26>A1 / パルス加熱法 |
Research Abstract |
本研究は我々が今日まで行ってきた共鳴イオン化分光法(Resonance Ionization Spectroscopy;RIS)による超高感度な元素検出に関する研究成果を基に、宇宙線生成同位体の検出にチャレンジしようとするものである。この分野でレ-ザ-技術、なかんずくRISが使われた報告はまだなく、目的とする同位体は ^<26>Alである。今回科研費交付の年限(2年)において、本研究はRare Cosmogenic Isotopesの検出に関する予備的な段階である。研究計画に即した本年度の研究実験以下の通りである。 研究計画に基づいて、本年度は主に装置の製作にあてた。 (1)共鳴イオン化分光用の超高真空チェンバ-の製作 本研究用に超高真空チェンバ-(<10^<-5>Torr)を製作する必要がある。そのため、備品として真空チェンバ-本体およびタ-ボ分子ポンプを本科研費補助により購入した。また本製作に当たって、バルブ等の真空関連部品および鋼材類を購入したが、これらは科研費の消耗品費、及び一部は校費より充当させた。 (2)共鳴イオン化の検出方法として、飛行時間・質量分析法(TOFMS)に、イオン・電子同時計測法を組み合わせる。そのために、ドリフトチュ-ブおよび静電レンズを製作した。 (3)原子ビ-ム源(イオン源)の選択と製作。 共鳴イオン化分光を行なうためには中性原子ビ-ムを作らなければならない。われわれは最近Thermal Heating法の短所を改善して、金属フィラメントをパルス的に加熱して蒸気化する方法を開発した。 これらを用いた今年度の実験結果としてRISによるMoの安定同位体の分離を行って、92,94,95,96,97,98,100の分離が観測でき、その質量分解能はM/△M=350に達し、 ^<26>A1検出の見通しを立てることが出来た。
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