1992 Fiscal Year Annual Research Report
非古典的な光の二光子相関測定とその超高速時間分解分光への応用
Project/Area Number |
03640344
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Research Institution | THE UNIVERSITY OF TOKYO |
Principal Investigator |
久我 隆弘 東京大学, 教養学部, 助教授 (60195419)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
馬場 基芳 東京大学, 物性研究所, 教務職員 (60159077)
松岡 正浩 東京大学, 物性研究所, 教授 (10013476)
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Keywords | 二光子強度相関 / パラメトリック増幅 / スクイーズ係数 |
Research Abstract |
二光子相関測定法により、パラメトリック蛍光のスクイーズ係数測定と、超短光パルスの時間幅測定を行った。具体的には下記の通りである。 1.連続波モード同期Nd:YAGレーザーの三倍波(355nm)を励起光とした、パラメトリック増幅器を製作し、縮退二光子(シグナル光・アイドラ光)の同時計数率を、時間-パルス高変換器を用いて測定した。励起光としてモード同期光パルス列を用いたため、同じパルス内で同時計数する場合(real coincidence)と近接するパルスどうしが同時計数する場合(delayed coincidence)の二種類を区別することができた。この二種類の同時計数率の比R/Dが、光の強度相関関数g^<(2)>(0)である事を理論的に示し、パラメトリック蛍光の相関関数測定により、スクイージング係数が求められることを明らかにした。非線型結晶LiIO_3を用いたパラメトリック増幅器で実験を行い、スクイージング係数とLiIO_3の非線型感受率を測定し、過去の報告と矛盾しないことを確かめた。 2.同時計数法と干渉計を組み合わせた装置を製作し、超短パルス光の強度相関関数測定を行った。干渉計の片方の腕をわずかずつ動かすことで、検出器における同時計数率が変化し、その形状から微弱光のパルス時間幅が求められることを、理論的・実験的に確かめた。時間分解能は干渉計に与えることのできる光路差の精度で決まり、10fsec以下の分解能も可能である。 今後は、励起光の時間幅τ_P、パラメトリック蛍光のコヒーレンス時間τ_Cを考慮に入れた二光子同時計数率R/Dの理論的解析を行い、τ_Pとτ_Cの比がR/Dに与える影響を理論・実験の両面から研究していく予定である。このR/Dのτ_P、τ_C依存性を測定することは、光の高次のコヒーレンスを直接研究する事につながり、非常に興味深い分野である。
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[Publications] T.Kuga: "Two-Photon Correlation of Squeezed Pulse Train" to be submitted to Optics Letters.
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[Publications] Y.Miyamoto: "Measurement of Ultrafast Optical Pulses with Two-Photon Interference" to be published to Optics Letters.
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[Publications] M.Matsuoka: "Two-Photon Coincidence Counting to Measure Ultrafast Pulse Width and Sqheezed Parameter" Laser Spectroscopy X(World Scientific). 393-398 (1992)
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[Publications] 久我 隆弘: "ピコ秒〜フェムト秒領域の分光実験技術" 固体物理. 27. 990-997 (1992)
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[Publications] T.Kuga: "Picosecond Linear and Nonlinear Spectroscopies of Excitons and Biexcitons in CuCl" Optical Properties of Solids(World Scientific). 109-135 (1991)