1992 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
03650069
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Research Institution | Kitami Institute of Technology |
Principal Investigator |
小林 道明 北見工業大学, 工学部, 教授 (20105539)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
三浦 節男 北見工業大学, 工学部, 助手 (20113714)
道端 久紀 北見工業大学, 工学部, 助教授 (30003198)
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Keywords | 超音波 / 非破壊材料評価 / 微視的構造 / 集合組織 / ランクフォード値 / 降伏曲面 / 有限塑性変形 |
Research Abstract |
材料中を伝播する超音波の速度や減衰が結晶構造、集合組織、残留応力分布、空孔分布等の材料の微視的構造と深く関連していることにより塑性変形の進展に伴なう降伏曲面、集合組織の変化や局所すべり帯の発生を超音波を用いて非破壊的に評価するための研究を進めている。さて、材料の製造工程における塑性加工や熱処理により生じた微視的構造変化はその材料の強度、加工性に密接に関係しており、材料の異方性の要因にもなっている。とりわけ、板材の塑性域における幅方向のひずみと厚さ方向のひずみの比であるランクフォード値は絞り加工などの塑性加工に際してその加工性を評価するための重要な指標であり、この値を非破壊的に評価することは工学上および工業上重要な課題となっている。特に本年度の研究においては、超音波を用いたランクフォード値の非破壊評価法の確立を目的として、単軸引張り試験下で押し出し成形したアルミニウム合金試験片の幅および厚さ方向の2方向に同時に入射した超音波縦波の伝播速度変化を用いて塑性異方性のパラメータを決定し、ランクフォード値の数値シミュレーション結果と実測値との比較検討を行うことにより非破壊評価法の定式化を試みた。更に、単軸引張り方向を押し出し方向に対して変化させた場合のランクフォード値および後続降伏曲面の推定を数値シミュレーションにより行ないランクフォード値と後続降伏曲面の形状との関連性についても考察し、得られた結果をまとめると次の様になる。 押し出し方向に単軸引張り負荷する場合、試験片における幅方向と厚さ方向への縦波の伝播速度変化から厚さ方向よりも幅方向に硬化し易いつまり変形しにくくなる傾向にあることが推測でき、ランクフォード値の変化の傾向とも良く相関しており後続降伏曲面の形状変化とも符号していることが明らかになった。
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[Publications] Michiaki KOBAYASHI: "Acoustoelastic Theory for Finite Plastic Deformation of Solids" JSME International Journal. 35. 45-52 (1992)
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[Publications] M.Kobayashi: "Ultrasonic Evaluation of Microstructural Changes of Solid Materials Under Plastic Deformation" Proceedings of the 1992 ASME Summer Mechanics and Materials Conferences. ASME MD-33. 33-46 (1992)
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[Publications] 小林 道明: "超音波による非破壊材料評価(塑性変形によるアルミニウム合金の微視的構造変化の推定)" 日本機械学会論文集(A編). 58. 1985-1992 (1992)