1991 Fiscal Year Annual Research Report
希土類磁石スクラップのリサイクルに関する基礎的研究
Project/Area Number |
03650517
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
新苗 正和 京都大学, 工学部, 助手 (50228128)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
日下 英史 京都大学, 工学部, 助手 (60234415)
中廣 吉孝 京都大学, 工学部, 助教授 (10026015)
若松 貴英 京都大学, 工学部, 教授 (50025897)
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Keywords | 希土類磁石スクラップ / リサイクル / 酸化焙焼 / 酸浸出 / 溶媒抽出 |
Research Abstract |
NdーFeーB系合金およびSmーCo系合金を空気酸化焙焼することにより、FeをFe_2O_3、NdをNd_2O_3、SmをSm_2O_3、CoをCo_3O_4およびCoOの形態にする形態にする条件を、焙焼温度、焙焼時間を変化させ、焙焼産物をX線解析し検討した結果、焙焼温700度、焙焼時間8時間が必要な焙焼条件であることが分かった。そこで、前記焙焼条件で空気酸化焙焼した試料を用いて、塩酸、硫酸および硝酸による浸出を検討した結果、NdおよびSmの浸出率は、酸濃度より浸出温度に大きく依存する傾向を示すことが分かった。浸出温度は70度以上が必要である、例えば、酸濃度0.5mol/l程度でも、浸出温度70度、撹はん速度400rpm.固液濃度1g/lの条件下で3時間浸出すればNdおよびSmを85%以上浸出することが可能であった。また、Feの浸出率は同浸出条件下で30%以下に抑えることができ、Feの浸出による酸の消費を抑えることが可能であった。一方、Coの浸出率も40%以下に抑えることができた。次に、酸の種類を比較した場合、NdおよびSmの浸出性は塩酸および硫酸が効果的であり、硝酸は、塩酸および硫酸と比べてかなり劣ることが分かった。ただし、塩酸および硫酸のどちらが浸出剤として好ましいかについては、次年度に検討を予定しているNd、Sm、Fe、CoおよびCu等からのNdおよびSmの抽出および相互分範の結果も考慮して判断しなければならない問題である。 次年度に計画している溶媒抽出によるNdおよびSmの抽出実験も、抽出剤としてD2EHPA、EHPNA、よびTOPO、TBPおよびTOAとの混合抽出剤を用いて塩酸溶液系について検討し、NdまたはSmとFe、Coとの分離およびNdおよびSm相互間の分離の可能性をも見いだした。さらに、上記で使用したD2EHPAおよびEHPNAの金属の抽出性を基礎的に検討することを目的として界面化学的に検討し、その結果を平成4年度資源・素材学会春季大会に発表する予定である。
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