1991 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
03650538
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
鈴木 吉哉 東京大学, 工学部, 助手 (00092247)
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Keywords | 製鋼 / 熱力学 / 酸化バリウム / 酸化マンガン / フラックス / 活量 / 溶解度 / 状態図 |
Research Abstract |
本研究では、より製錬能の高いフラックスの開発を目指して、CaOより塩基性で製錬能の高いと考えられるBaOーMnO系フラックスの熱力学的性質を調べ、BaOーMnO系フラックスの鉄鋼製錬への適用可能性を検討することを目的とした。 今年度は鉄鋼製錬の脱りん、脱硫反応の基礎となるデ-タとして、BaOーMnO系フラックスのMnOの活量を測定し、またBaOーBaF_2系フラックス中へのMnOの溶解度を測定した。さらに、この測定に必要となる銀中マンガンの活量係数を測定した。 実験方法は化学平衡法によった。MnOペレットとBaOーMnOフラックスと銀を一定のCO/CO_2比の雰囲気中で平衡させ、銀中の銀中マンガンの温度依存性として、1250〜1400℃でlog_<γMn>=-2132/T+1.088を得た。BaOーMnO系フラックスのMnOの活量測定では、1300〜1400℃、一定のCO/CO_2比の雰囲気下で、ニッケル坩堝中にフラックスと銀を平衡させ、銀中のマンガン濃度と上記の活量係数から種々のCO_2分圧でのMnOの活量を求め、GibbsーDuhemの式によりBaOの活量を計算した。1300℃では、CO_2が0.176atmでMnOのモル分率が0.517、0.062atmで0.483でフラックスはMnO飽和となった。また、フラックス中の炭素分析から、フラックス中にCO_2が溶解し、フラックスの融点を下げ、液相領域を拡大することを明らかにした。 さらに、BaOーBaf_2系フラックスとMnOペレットを共存、平衡させ、MnOの溶解度を1300℃で調べ、三元系状態図の液相領域を明らかにした。 以上のことから、BaOーMnO系フラックスの熱力学的性質についての考察を行った。
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Research Products
(1 results)