1992 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
03650538
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Research Institution | THE UNIVERSITY OF TOKYO |
Principal Investigator |
鈴木 吉哉 東京大学, 工学部, 助手 (00092247)
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Keywords | 製鋼 / 熱力学 / 酸化バリウム / 酸化マンガン / フラックス / 活量 / 脱りん |
Research Abstract |
高塩基性であるBaOを含むBaO-BaF_2系フラックスが、溶銑処理温度で高い脱りん、脱硫能を有することを確認しており、さらに塩基性であると考えられるBaO-MnO系フラックスがより高い製錬能を持つことが期待される。 そこで、本年度はより製錬能の高いフラックスの開発を目指して、BaO-MnO系フラックス-炭素飽和Fe-Mn溶融合金もしくは銀間のりん、硫黄の平衡分配を測定し、BaO-MnO系フラックスの製錬能について考察を行った。 1573から1673KでBaO-MnO(-CaO,BaF_2)系フラックス6gと炭素飽和Fe-Mn合金2.5gを黒鉛坩堝中CO雰囲気で平衡させ、りんおよびマンガン分配比を測定した。また、1573kでBaO-MnOフラックス2gと銀4gをニッケル坩堝中でCO-CO_2-Ar雰囲気(酸素分圧7.03×10^<-5>Pa)で平衡させ、硫黄の分配比を調べた。 溶銑処理温度でBaO-MnOフラックスと炭素飽和Fe-Mn合金間のりん分配比は、BaO濃度の増加とともに増加し、1573KでFe-17.3mass pct Mn-C溶融合金を用いたとき、837という非常に大きいりん分配比を得た。マンガン分配比は小さく、BaO-MnO系フラックスにより高マンガン溶銑の脱りんが可能であることが示された。BaO-CaO_<satd.>-MnO系フラックスのフォスフェイトキャパシティはBaO-MnO系の値と同程度に非常に大きく、フラックスの高塩基性を保ちながらBaOを安価なCaOで置き換えられることがわかった。BaO-MnO系フラックスのサルファイドキャパシティはBaO濃度の増加とともに増加し、その値は10^<-0.4>〜10^<-0.2>であり、CaO系フラックスに比べ非常に大きかった。 以上の結果から、BaO-MnO系フラックスの製錬能について考察を行った。
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[Publications] S.Shim 他: "Thermodynamic Properties of the BaO-MnO Flux System" Metall.Trans.B. 24B. (1993)
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[Publications] Y.Watanabe 他: "Thermodynamics of Phosphorus and Sulfur in the BaO-MnO Flux System between 1573 and 1673K" Metall.Trans.B. 24B. (1993)