1992 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
03650542
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Research Institution | Kyushu Institute of Technology |
Principal Investigator |
篠崎 信也 九州工業大学, 工学部, 講師 (00136524)
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Keywords | マンガン鉱石 / 脱りん / 脱硫 / 反応速度 / 界面撹乱 |
Research Abstract |
鋼にとってマンガンは有用な成分であることから,安価なマンガン源としてマンガン鉱石が注目されてきている.このマンガン鉱石をより有効に使うために,溶鋼処理時にマンガンの回収と同時に鋼中の有害な不純物の除去ができないかということに着目し,昨年度より酸化マンガンによる溶鉄の同時脱りん脱硫反応について調べてきた. 昨年は,いくつかの脱硫実験と同時脱りん脱硫実験を行い,CaF_2-CaO-Al_2O_3-Mn_3O_4系フラックスにより脱りん,脱硫と同時にフラックスから溶鉄へのマンガンの回収が可能であることがわかった.今年度は,昨年の結果をもとに平衡到達後のフラックスのフォスフェイト・キャパシティ,サルファイド・キャパシティの算出と検討,反応速度の解析,さらにいくつかの追加実験を行なった.その結果をいかに示す. 1)フラックスのフォスフェイト・キャパシティおよびサルファイド・キャパシティを算出し,酸化マンガンを含むフラックスにより溶鉄の同時脱りん脱硫が可能であることが解った. 2)物質移動律速を仮定した反応速度解析の結果,溶鉄-フラックス間で硫黄あるいは酸素の移行が速い場合,反応初期においてすべての物質の反応速度が促進された.界面撹乱の発生が考えられる. 3)しかしながら,モデル計算によれば,実操業の規模では短時間での脱りん脱硫処理は期待できず,機械的な撹拌が必要であることを明らかにした.
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