1992 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
03650593
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Research Institution | HIMEJI INSTITUTE OF TECHNOLOGY |
Principal Investigator |
瀬尾 健二 姫路工業大学, 工学部, 教授 (70047603)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
日下 正広 姫路工業大学, 工学部, 助手 (40244686)
野方 文雄 姫路工業大学, 工学部, 助教授 (70047629)
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Keywords | セラミック / 溶射 / 皮膜強度 / 熱疲労 / 剥離強度 / J積分 / 異材接合 / BEM |
Research Abstract |
前年度には溶射による残留応力におよぼす溶射条件の影響および熱疲労実験中に生じる熱応力におよぼす溶射材寸の影響を検討した。本年度はこの結果に基ずきセラミック溶射試験片を製作し、熱疲労試験を実施し以下の結果を得た。 1.溶射材の熱疲労試験を行った場合、皮膜の剥離は、加熱中に皮膜の中央部で引張り応力により割れを生じ、これが破壊発生点となり皮膜剥離を生じる場合と、溶射材端部で母材と皮膜間に生じる剪断力により皮膜剥離をする場合とに大別できることが明らかになった。 2.皮膜の中央部で皮膜が割れることによる皮膜剥離に関しては皮膜内に生じる平均熱応力で整理できるが、溶射材端部で生じる皮膜剥離は端部形状によって大きく影響を受ける。端部形状を0゚、30゚、60゚と傾斜させた場合30゚の傾斜の場合がもっとも熱疲労に対して弱くなった。また0゚、30゚、の場合は端部から溶射皮膜内に小さな割れを生じその後これを起点として層間で剥離を生じるが、60゚の場合は母材と皮膜の間で直接剥離することが明かになった。これらは端部に生じる熱応力から一応説明可能であるが、さらに詳細には熱サイクルにともなって生じるき裂の伝播条件を考慮した破壊力学的検討が必要であることが明らかになった。 3.溶射材のような母材と皮膜の弾性係数および線膨張係数のが異なる接合体の接合界面にき裂が存在する場合を対象とし、この接合体が温度変化を受けた場合のJ積分を検討した。そしてJ積分値におよぼす各種パラメータの整理を行い、温度変化から決まる熱負荷パラメータと両材料のヤング率の比により簡単に算定出来るようにした。しかしこれを実験値に適用し熱疲労剥離限界 条件をもとめるまでには至らなかった。
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[Publications] 瀬尾健二ほか: "溶射部材に生じる界面端部の残留応力" 溶接学会論文集. 9. 430-436 (1991)
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[Publications] 瀬尾健二ほか: "き裂を含む異種接合材のJ積分" 溶接学会論文集. 10. 429-433 (1992)
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[Publications] 瀬尾健二ほか: "温度変化を受ける異種材接合部のJ積分" 溶接学会全国大会講演概要 第51集. 268-269 (1992)