1992 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
03660014
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
熊野 誠一 岡山大学, 農学部, 教授 (20205173)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
黒田 俊郎 岡山大学, 農学部, 教授 (10032301)
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Keywords | 水稲 / 有機米 / 有機質肥料 / 収量 / 追肥 / 無農薬 / 雑草 / 病虫害 |
Research Abstract |
本年度も継続して品種日本晴を用いて栽培試験を行い,特に追肥方法の相違が水稲の生育収量に及ぼす影響につき検討した。 処理区は基肥要因として3水準(1)堆厩肥区,(2)堆厩肥・鶏ふん区,(3)堆厩肥・鶏ふん・生藁区,および(4)対照区(化学肥料基肥,追肥)とし,追肥要因は5水準(1)無追肥区,(2)菜種油粕中期追肥区(穂首分化期と穎花分化中期),(3)菜種油粕慣行追肥区(分げつ盛期,穎花分化中期,登熟期),(4)化学肥料中期追肥区,(5)化学肥料慣行追肥区とした。 各区の生育収量の相違に影響が大きかった施肥法について概括する。基肥による差異は有意なものではなかったので,追肥方法にのみ着目すると,収量は,油粕を用いた区に比べて化学肥料を用いた区で高かったが,油粕中期追肥区は化学肥料区に匹敵し,高かった。収量は総籾数の多少により影響され,総籾数には穂数が,また穂数には最高分げつ期茎数が大きく関係していた。化学肥料区において最高分げつ期茎数が増加し,とりわけ中期追肥区で顕著にその傾向が認められた。 また,乾物生産についてみると,各区のCGRは主としてLAIによって影響され,収量の高かった中期追肥区のCGRは慣行追肥区に比べて,油粕を施用した区では登熟期に,化学肥料を施用した区では穂孕期にそれぞれ高まり,油粕の肥効が化学肥料に比べて遅いことが認められた。このことは,追肥を行った後の葉色値が化学肥料区に比べて油粕区で高くなるのが遅れる,すなわち肥効の発現が遅れることからも推察された。 本試験の結果,有機質肥料(菜種油粕)の中期追肥を行うことにより,化学肥料区と同等の高い収量をあげ得ることが指摘できた。
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