1992 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
03660145
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Research Institution | HOKKAIDO UNIVERSITY |
Principal Investigator |
矢島 崇 北海道大学, 農学部, 助教授 (90142702)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中村 太士 北海道大学, 農学部, 助教授 (90172436)
清水 収 北海道大学, 農学部, 助手 (20178966)
渋谷 正人 北海道大学, 農学部, 助手 (10226194)
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Keywords | 火山泥流 / 再生林 / 林分構造 / 粒径分布 |
Research Abstract |
十勝岳の噴火にともなう泥流(1926年発生)の流下跡に成立している再生林を対象に林分構造と齢構造の解析を行い、その成立パターンを検討した。すでに実施した富良野川流域の5箇所の調査地に加え、本年度は美瑛川と富良野川に挟まれた丘陵部に調査地を設定し、5林分を抽出して林分構造を解析した。 調査した合計38林分の検討から、再生林の構造と配列に以下の様な特徴を認めた。アカエゾマツ優占林分は全域に出現するが樹高はいずれも低い。エゾマツ・トドマツ優占林分は中流部以下に限られ一部でよく発達していた。カンバ類に関しては、下流〜中流部はシラカンバが優占し、上流部ではダケカンバが優占していた。優占タイプの多様性は下流部で高かった。また上流部で上層樹高が低くなる傾向があった。侵入定着の時期については下流〜上流での違いはなく、優占種・発達程度など、林分構造との関連性が高かった。これらの多様な林分は横断的にも変化し、泥流跡にモザイク状に配列していた。 また立地条件としての粒径分布と再生林の構造について検討した。林分構造の異なる7地点で、表層20cmの土壌につき、構成砂礫調査を実施した。地形条件及び再生している樹木の状態などから見て、泥流流下後現在まで大規模な土層移動が発生した可能性は少なく、得られた粒径分布は泥流流下直後の地表条件を表現していると考えられた。カンバ類や針葉樹類など、林分構造や優占種の異なる地点で粒径分布を比べると、それに対応して明かな相違が認められた。すなわち、細粒〜微砂が主要な割合を占める立地ではカンバ類が優占し、粗砂または礫が主成分である立地ではアカエゾマツが優占していた。これらのことから、泥流後の再生林分のモザイク配置が、撹乱直後の立地条件によって決定されていることが強く示唆された。
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