1991 Fiscal Year Annual Research Report
軟X線による高分解能CTシステムの開発と木材研究への応用
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03660168
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Research Institution | Kagoshima University |
Principal Investigator |
服部 芳明 鹿児島大学, 農学部, 助教授 (80180909)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山本 浩之 名古屋大学, 農学部, 助手 (50210555)
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Keywords | 軟X線 / 断層撮影 / 非破壊測定 / 線質硬化現象 / リニアイメ-ジセンサ / 密度分解能 / 空間分解能 / 密度 |
Research Abstract |
本研究は、分解能が高い軟X線CT(Computed Tomography)システムを開発し、木材を対象にした計測器として活用するに十分な性能をもたせることに、さらに、木材研究への応用をすることを目的としている。当核年度は軟X線CTシステムの開発に重点を置き、目的に合致した高性能な機器を開発した。開発機器の特徴として次の項目があげられる。 (1)PCDリニアイメ-ジセンサの活用によって、空間分解能を飛躍的に高めた。 空間分解能は、密度差の大きい物体の場合には、約50μmである。 (2)密度分解能を高めた。均一なプラスチックスを対象とした場合には、変動係数0.036%であり、密度に換算すると0.005g/cm^3(標準偏差の2倍値)を区別できる。 (3)パ-ソナルコンピュ-タによって、投影デ-タの採集からCT像の逆投影演算が可能であるため、汎用性に富む。 (4)連続X線に起因する線質硬化現象(カッピング効果)を補正できるため、非破壊密度測定器として使える。 (5)CT像は256×256のマトリックス上に逆投影するため、画質に優れている。 (6)断層像撮影のための操作上の手間を大幅に軽減した。 以上のように、従来の医療用CTスキャナや産業用と称するCT機器とは異なった面で高い性能を有する機器が開発できた。なお、当開発機器は第42回日本木材学会大会において発表する(1992年4月開催予定)。次年度は、当開発機器を駆使し、木材内の水分の移動、拡散機構の解明を行う予定である。
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