1991 Fiscal Year Annual Research Report
二相式ファ-メンタによる農産・食品廃棄物処理および発生バイオガスの有効利用
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03660263
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Research Institution | Kagoshima University |
Principal Investigator |
守田 和夫 鹿児島大学, 農学部, 助教授 (70210169)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田原迫 昭爾 鹿児島大学, 農学部, 教授 (70041613)
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Keywords | 焼酎廃液 / 嫌気性発酵 / 酸発酵 / 対数増殖期 / 最大比増殖速度 / 菌体比増殖速度 / 発酵効率 / Monodモデル |
Research Abstract |
二相式ファ-メンタによる焼酎廃液の嫌気性発酵システムを構築するため、基礎的な実験を行い、酸生成菌の発酵特性に関する以下の研究成果を得た。 嫌気性発酵では、酸発酵とメタン発酵の完全相分離及びそれぞれの発酵分解速度を知ることが発酵効率を高める上で重要になる。そこで試作した容積22ιの二相式ファ-メンタを用いて、まず酸生成相の分離を投入基質濃度と滞留時間の調整により行い、高濃度の酸生成菌の集積及び完全な相分離を可能にした。次に、集積した酸生成菌を用いて、発酵分解速度を調べるため、容積4.8ιのジャ-ファメンタによる焼酎廃液の酸発酵処理を回分式で行った。測定はBOD濃度、COD濃度、pH、発生ガス量、MLSS、MLVSS、有機酸について行い、菌体濃度はDNA量の測定により行った。すなわち、pHは誘導期内に6付近まで低下し、発生ガス量は対数増殖期以前に最大を示した。また、BOD、COD濃度、MLSS、MLVSSは経時的に滑らかな変化を示し、対数増殖期以降は安定した傾向を示した。有機酸については、メタノ-ル及びエタノ-ルが検出され、プロピオン酸など阻害物質は生成されなかった。さらに、CDD濃度とDNA量の関係から増殖特性を求めた。すなわち、発酵分解速度は対数増殖期に最大を示し、発酵効率は菌体の最大比増殖速度μで最大となる。そこで、基質消費速度と菌体比増殖速度の関係をLineweaverーBurkプロットで求めると、μは0.469となり、このとき滞留時間は11.9時間でほぼ酸発酵は終了することが明らかになった。また、この増殖特性値を用いて、対数増殖期でのMonodモデルに適用すると、4次のルンゲ・クッタ・ギル法による理論解析値と実測値は良く適合し、増殖特性値の妥当性が明らかになった。
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