1991 Fiscal Year Annual Research Report
猫免疫不全ウイルス感染症における後天性免疫不全症候群発症補助因子の検討
Project/Area Number |
03660315
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Research Institution | Nippon Veterinary and Life Science University |
Principal Investigator |
友田 勇 日本獣医畜産大学, 獣医畜産学部, 教授 (00011859)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鷲巣 月美 日本獣医畜産大学, 獣医畜産学部, 助手 (20191736)
石田 卓夫 日本獣医畜産大学, 獣医畜産学部, 助教授 (30143506)
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Keywords | 猫 / FIV / AIDS / レトロウイルス |
Research Abstract |
猫免疫不全ウイルス(FIV)自然感染無症状キャリア-猫の一定期間中における発症率を求め,さらに病期進行の順序を確認するため,長期飼育観察を行い以下の結果を得た.以前より導入し飼育していたキャリア-猫11例について2年間の観察を行い,11例中4例で病期進行を認めた.そのうち2例は後天性免疫不全症候群(AIDS)を発症して死亡した.病期の進行に際して,3例ではまず最初に持続性全身性リンパ節腫大(PGL)が認められ,次に歯肉炎,慢性上部気道疾患などのAIDS関連症候群(ARC)を発症した.残る1例ではPGLとARCの発症がほぼ同時に見られた.ARC期は現在生存している2例を含めて10ヶ月以上持続し,2例はAIDSに進行した.これらAIDSを発症した猫はPGL発症から約1年で死亡した.死亡例は病理学的にAIDSと診断され,激しい全身性の細菌感染や,重度の消化管寄生虫感染など,免疫不全を疑わせる所見が十分に得られた.発症猫の各病期におけるリンパ球幼若化反応は,病期の進行に一致して低下を続け,以前に報告したのと同等の低値が記録された.これらの観察結果から,自然感染無症状猫は2年間で約3割が発症し,死亡率は約18%であることがわかった.さらに,臨床例における観察から推測され,以前に報告した病期分類が確認された.
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[Publications] Ishida,T.,Tanishi,A.Matsumura,S.,Washizu,T.and Tomoda,I.: "Long tern clinical observations on feline immuno deficiency virus infected asynptomatic carriers" Vet.Immunol.Immunopathol.(1992)