1993 Fiscal Year Annual Research Report
各種脊椎動物膵臓における「脂質貯蔵細胞」の形態と機能
Project/Area Number |
03670015
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Research Institution | Nagoya City University |
Principal Investigator |
馬渕 良生 名古屋市立大学, 医学部, 助教授 (80106228)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
金井 美晴 名古屋市立大学, 医学部, 助手 (70094365)
堀田 康明 名古屋市立大学, 医学部, 講師 (90117854)
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Keywords | 脂質貯蔵細胞 / LIpid-storing cell / 膵臓 / 電子顕微鏡 / 塩化亜鉛 / 塩化アルミニウム / 生体防御系 |
Research Abstract |
われわれはこれまで,動物にある種の毒物を投与した場合の膵臓間質結合組織内に,少数個の脂質滴を保有した細胞,いわゆる「脂質貯蔵細胞(lipid-storing cell)」が出現することを発見し,その細胞の形態と機能について報告してきた.本研究では,マウスに塩化アルミニウム(380mg/kg体重)および塩化亜鉛(30mg/kg体重)を投与し,膵臓内・外分泌部の変化ならびに「脂質貯蔵細胞」の動態について検索した. 塩化アルミニウムおよび塩化亜鉛投与により,外分泌細胞は傷害を受け,細胞の機能が低下すると共にやがて細胞の部分壊死ならびに細胞壊死が出現した.膵島細胞の傷害は外分泌部より軽度であった。一方,膵臓間質結合組織内に,少数個の脂質滴を保有する「脂質貯蔵細胞」が出現したが,特に塩化アルミニウムで著明であった.この細胞は粗面小胞体の発達が良く,間質結合組織内に長い細胞質突起を出しているので,「線維芽細胞系」由来と判定される.また,この細胞の脂質滴の中に投与した金属元素がX線マイクロアナライザーによって証明され,この細胞は生体内に進入した毒物をその脂質滴の中に一時貯蔵してその毒性を弱める働きがあると考えられる.さらに,「脂質貯蔵細胞」が大食細胞としばしば接触する像が認められたことから,これらの細胞は互いに情報を交換し,協力してそれらの毒物の処理に当たるものと思われ,「脂質貯蔵細胞」は広義の生体防御系に属する細胞であると考察した.
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[Publications] Watari,N.: "Electron microscopic studies on the lipid-storing cells in the mouse pancreatic tissues following aluminum chloride administration." J.Clin.Electron Microscopy. 24(5,6). 744-745 (1991)
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[Publications] 渡 仲三: "塩化アルミニウム投与マウス肝臓および膵臓の変化,特に「脂質貯蔵細胞」について" 解剖学雑誌. 67(2). 144 (1992)
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[Publications] 渡 仲三: "亜鉛投与による膵臓の変化の超微形態学的研究,特に「脂質貯蔵細胞」について" 解剖学雑誌. 67(4). 471 (1992)
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[Publications] 馬渕 良生: "下等脊椎動物膵臓の超微形態学的研究,特に膵島細胞について" 名市大医誌. 43. 1058 (1992)
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[Publications] Matari,N.: "Curative effect of glycyrrhizin for a mouse pancreas and liver caused by excess zinc chloride administration." J.Clin.Electron Microscopy. 25(5,6). 547-548 (1992)
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[Publications] 馬渕 良生: "塩化亜鉛投与による膵障害とその修復についての超微形態学的研究" 解剖学雑誌. 68(6). 768 (1993)