1993 Fiscal Year Annual Research Report
トランスジェニックマウスによる胎盤におけるヒト・プロラクチン発現制御因子の検討
Project/Area Number |
03670017
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
相磯 貞和 慶應義塾大学, 医学部, 教授 (60138013)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
平岡 芳樹 慶應義塾大学, 医学部, 助手 (80218768)
塩沢 昌英 慶應義塾大学, 医学部, 専任講師 (50170840)
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Keywords | トランスジェニックマウス / 胎盤 / プロラクチン / 発現制御因子 |
Research Abstract |
本研究は頭書の如く、3年間にわたって行われるものであり、平成5年度はその3年目にあたる。平成5年度においては我々がクローン化したヒト・プロラクチン遺伝子の胎盤特異的制御領域と予想されるexonOの5'側領域にレポーター遺伝子としてE.coliのlacZ遺伝子を接合させたものをmicroinject用DNA溶液とし、トランスジェニック・マウスの作製を試みた。 background strainとして(C57B1/6J×CBA)F1を用い、このF2受精卵を人工排卵させてそれを採取し、その雄性前核内に、微分干渉装置を備えた倒立顕微鏡下でマイクロマニュピレーターとマイクロインジェクターを用いてDNA溶液をmicroinjectした。その後、受精卵を精管結紮雄マウスと一晩mateさせて作製した偽妊娠ICR雌マウスの卵管内に移植し、新生児マウスとして出産させた。 トランスジェニックマウス作製初期においては、偽妊娠マウスへDNAのmicroinjectを行った受精卵の移植を行っても仔マウスすら得られず、出産時期を過ぎた偽妊娠マウスを解剖して死亡胎児が確認できる程度であった。しかし、microinjectするDNAに関しては、DNAの精製過程で夾雑物の混入を極力防ぎ、linearな形で精製したこと、受精卵の採取から偽妊娠マウスへの受精卵の移植までの操作に習熟し、迅速に操作を行えるようになったこと等の改善により、現在、偽妊娠マウスあたり4〜6匹の仔マウスが得られるようになった。 現在、生まれた仔マウスの尾よりDNAを抽出し、サザンハイブリダイゼーションにより、スクリーニングを行っているところであり、得られたトランスジェニックマウスから、beta-ガラクトシダーゼの活性を胎盤を中心として酵素組織化学的に検出することにより、胎盤特異的にヒトプロラクチンを発現させるプロモーターの存在の証明を引き続き行う予定である。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] 相磯貞和: "トランスジェニックマウスの作製とマウス免疫応答遺伝子機能の検討への応用" 慶応医学. 70. 1-10 (1993)
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[Publications] Shiozawa,M.,Yasuda,K.,Yamashita,S.& Aiso,S.: "Distribution of gamma-glutamyl transpeptidase in human salivary glands:Immunohistochemical study using a monoclonal antibody" J.Histochem.Cytochem.41. 205-213 (1993)
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[Publications] Kanai,T.,Hibi,T.,Hayashi,A.,Takashima,J.,Shiozawa,M.,Aiso,S.,Toda,K.,Iwao,Y.,Watanabe,M.& Tsuchiya,M.: "Carcinoembryonic antigen mediates in vitro cell aggregation induced by interferon-gamma in a human colon cancer cell line:requirement for active metabolism and intact cytoskeleton" Cancer Let. 71. 109-117 (1993)
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[Publications] 相磯貞和: "免疫応答遺伝子導入マウスでの遺伝子発現" 細胞. 25. 553-557 (1993)
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[Publications] Yamashita,S.,Uchida,H.,Shiozawa,M.,Aiso,S.& Yasuda,K.: "Monoclonal antibodies to the Golgi Apparatus of serous exocrine cells" J.Histochem.Cytochem.41. 1623-1633 (1993)
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[Publications] Sakurai,H.,Hiraoka,Y.& Fukasawa,T.: "Yeast GAL II protein is a distinctive type transcription factor that enhances basal transcription in vitro" Proc Natl Acad Sci. 90. 8382-8386 (1993)