1991 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
03670035
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
本田 良行 千葉大学, 医学部, 教授 (30019525)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
増山 茂 千葉大学, 医学部, 助手 (00219354)
増田 敦子 千葉大学, 医学部, 助手 (70165710)
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Keywords | 呼吸困難感 / 息こらえ / 末梢化学受容器 / 低酸素 / CO_2 |
Research Abstract |
息こらえ中に呼吸困難感が増加し、息がこらえ切れなくなっても、肺胞内のガスを吐き出し、その呼気を再び吸うと、また息こらえが続けられる。そこで、呼吸困難感の増加度や息こらえ時間を左右するものは血液ガス(化学因子)と、その他に胸郭運動の停止という機械的(非化学因子)の両方の因子の関与が考えられる。 呼吸困難は主観的な感覚であり、客観的評価が困難である。本研究では、息こらえ中の呼吸困難の化学因子と非化学因子を定量的に評価するためにvisual analog scale(VAS)を用いた。 1.方法論とくに測定結果の再現性について 本研究で用いた方法(VASスケ-ル)では息こらえ開始直後の呼吸困難感が全くない時を0とし、息がこらえきれなくなった時を最大値の100として両端が固定されており、その間の感覚も目安になる感覚が表示されてあるため、被検者自身の感覚を表現する際に個人内の再現性が良好であり、被検者間のばらつきも少なかった。 2.末梢化学受容器活動の呼吸困難に及ぼす影響について 呼吸調節に重要な役割を果している末梢化学受容器を薬物で刺激し、一定の低酸素状態をシミュ-レ-トした。薬物として塩酸ドキサプラムを0、0.8、1.6、2.4および3.2mg/kg/hrで点滴静注し、最後の10分間に息こらえを行った。この用量による低酸素刺激の程度は動脈血酸素飽和度で95〜80%に相当するものであった。呼吸困難感をVASで測定しつつ、息がこらえきれなくなったbreaking‐pointで最大呼気を行い、これに伴うVASの低下度より化学および非化学因子の評価を行った。その結果として、息こらえ中のCO_2上昇による呼吸困難感の増加度はドキサプラム注入により増加した。すなわち、末梢化学受溶器活動の増加は呼吸困難感に対するCO_2の影響(化学因子)を増強することが示唆された。
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[Publications] Honda Y,Masuda A,Sakakibara Y,et al.: "Contribution of chemucal and non‐chemical drives to breath‐holding determined by visual analog scale(VAS)." Japanese Journal of Physiology. 40. 151-155 (1990)
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[Publications] 増田 敦子: "呼吸困難と化学調節" 日本胸部疾患学会雑誌.