1992 Fiscal Year Annual Research Report
マウス老化アミロイドーシス発症修飾因子の分子遺伝学的解析
Project/Area Number |
03670171
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Research Institution | KYOTO UNIVERSITY |
Principal Investigator |
樋口 京一 京都大学, 胸部疾患研究所, 講師 (20173156)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
細川 昌則 京都大学, 胸部疾患研究所, 助教授 (00127135)
竹田 俊男 京都大学, 胸部疾患研究所, 教授 (00027088)
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Keywords | マウス / 老化アミロイドーソス / コンジェニックマウス / apoA-II / ゲノムマッピング / 交配実験 |
Research Abstract |
アミロイドーシス発症機構の分子遺伝学的解析によって本年度に得られた新たな知見は以下に述ベる事実である。1. SAM-P/1とA/J系統マウス間での交配実験:amyloidogenicなapoA-II遺伝子(Apoa2^C)を持ちながら、アミロイドーシス発症程度が明瞭に異なるマウス2系統間で交配実験(SAM-P/1XA/J)を行なった結果、アミロイドーシス発症を修飾し、促進する遺伝因子の数は1つで遺伝様式は常染色体優性であると推測できる。現在さらにマウスの数を増やし、遺伝子マッピング等によって修飾遺伝子の解析、同定を進めている。 2.apoA-II congenic mice の作成:congenic mice はSAM-R/1系マウス(Apoa2^b)と12世代backcrossしSAM-P/1のApoa2^Cを導入したR1.P1-Apoa2^Cと7世代のbackcrossでSAM-R/1のApoa2^bを導入したP1.R1-Apoa2^bを作成した。 R1.P1-Apoa2^cのHDL濃度はSAM-P/1と同等の低値を、P1.R1-Apoa2^bのHDLはSAM-R/1と同等の高値を示しapoa-IIの一次構造がHDLの代謝を規定している事が判明した。また14ヶ月齢のR1.P1-Apoa2^cにはAApoAIIの重篤な沈着が見られ、Apoa2^cがアミロイドーシス発症を促進することが確認された。3.ゲノムマッピング:DNAマーカーとして、マウス染色体状に散在する内在性白血病ウイルス(MuLV)プロウイルスを利用するために、3クラスのMuLVに対するオリゴDNAプローブを用いたサザンハイブリダイゼーションを行った。 これによって促進老化を示すSAM-Pシリーズ9系統、正常老化を示すSAM-Rシリーズ4系統マウスで、染色体上の位置の判明しているプロウイルス44個と位置の判明しない11個とを同定した。現在、この基本的なシステムをとマイクロサテライトの系を利用して交配実験で得られたマウスのマッピングを行い、アミロイドーシス修飾因子や促進老化遺伝子の染色体上の位置の決定を目指している。
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Research Products
(8 results)
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[Publications] Keiich Higuchi: "Developmental and age-related changes in apolipo-protein B (apoB)mRNA editing in mice." Journal of Lipid Research. 33. 1753-1764 (1992)
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[Publications] Keiichi Higuchi: "Development of congenic strains of mice carrying amyloidogenic apolipoprotein A-II (Apoa2^C)." FEBS Letters. 313. 207-210 (1993)
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[Publications] Katuji Shimizu: "Immunohistochemical studies of age-associated amyloid deposition in the joint of senescence accelerated mice." Zoltshricht fur Rheumatologie. 51. 243-248 (1992)
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[Publications] Hironobu Naiki: "Genetic analysis of murine senele amyloidosis." Laboratory Investigation. (1993)
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[Publications] Yukio Ando: "Low plasma apolipoprotein AII levels in human and mouse amyloidosis with mutant transthyretin (Met-30)gene." Annals of Neurology. 33. 101-103 (1993)
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[Publications] Haruo Kitado: "Molecular genetic charactrization of Senescence Accelerated Mouse(SAM)strains." Biomedical Gerontology. 16. 140-141 (1992)
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[Publications] 樋口 京一(杉山 武敏編): "老化促進モデルマウス(分子病理学)" 分光堂, (1993)
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[Publications] 竹田 俊男(折茂 肇編): "哺乳動物-老化モデルと遺伝子-、(新老年学)" 東京大学出版会, 19(1248) (1992)