1991 Fiscal Year Annual Research Report
Clostridium difficile菌体内トキシンAの精製とその性状の解析
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03670208
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
中村 信一 金沢大学, 医学部, 教授 (90019620)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山川 清孝 金沢大学, 医学部, 講師 (20110629)
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Keywords | C.difficile / 菌体内トキシンA / 赤血球凝集活性 / トキシンA / アフィニティクロマトグラフィ- / 偽膜性大腸炎 / 抗生物質関連下痢症 |
Research Abstract |
Clostridium difficile VPI10463株を用い、菌体内トキシンAの精製を行った。mーBHI2日間培養菌液から得られた菌体の超音波破砕遠心上清液(菌体内抽出液)を出発材料とした。まず、菌体外トキシンAの精製法に準じ、菌体内抽出液についてウシサイログロブリンアフィニティクロマトグラフィ-(TGAC)を行った結果、菌体外トキシンAの場合(赤血球凝集(HA)活性は温度溶出画分に陽性、素通り画分では陰性)と全く異る結果が得られた。即ち、温度溶出画分には高い細胞毒性(2^<12>)(トキシンA)が検出されたが、HA活性は極めて弱かった。(2°)。一方、素通り画分には高い細胞毒性(2^<15>)(トキシンB)と高いHA活性(2^9)が検出された。温度溶出画分を透析後)HA活性が2^5に上昇)、モノQカラムクロマトグラフィ-(モノQーFPLC)を行った。食塩濃度0〜0.14M、流速0.5Ml/min、0.5ml分取の条件下で、細胞毒性のピ-ク(2^<12>)とHA活性のピ-ク(2^6)の解離が認められた。高細胞毒性(2^<10>〜2^<12>)を示した画分について再度モノQーFPLCを行った結果、細胞毒性のピ-ク(2^<12>)のみが認められた。最終標品は未変性PAGE上分子量580kDaの単一バンドとして泳動され、高度精製されたことが分った。SDSーPAGEの結果、分子量240kDaの主バンド、分子量26〜360kDaのマイナ-バンドが検出された。還元、非還元状態により泳動パタ-ンに明確な差異は認められなかった。以上の結果は、菌体内トキシンAはHA活性が極めて弱いことを示すものである。また、TGACによる温度溶出画分のHA活性が透析により上昇したことは、菌体内トキシンAにおいてはHA活性が覆われた状態で存在し、立体構造の変化によりHA活性が活性化された、あるいは透析によりHA活性物質抑制物質が除去された等が考えられる。現在、菌体内トキシンAの生物学的活性、免疫学的性状、HA活性物質との関係について研究が続けられている。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] S.Kamiya: "Production of monoclonal antibody to Clostridium difficile toxin A which neutralises enterotoxicity but not haemagglutination activity" FEMS Microbiology Letters. 81. 311-316 (1991)
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[Publications] S.Kamiya: "Correlation between cytotoxin production and sporulation of Clostridium difficile" Journal of Medical Microbiology. (1992)
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[Publications] X.Q.Meng: "Purification and characterisation of intracellular toxin A of Clostridium difficile" Journal of Medical Microbiology.
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[Publications] S.Nakamura: "Immunological relationship between extracellular toxin A and intracellular toxin A of Clostridium difficile" FEMS Microbiology Letters.