1991 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
03670251
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
南 康博 大阪大学, 細胞工学センター, 助手 (70229772)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
原田 久士 大阪大学, 細胞工学センター, 助手 (10222233)
田中 信之 大阪大学, 細胞工学センター, 助手 (80222115)
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Keywords | サイトカイン / サイトカイン受容体 / 細胞内情報伝達 / チロシンキナ-ゼ / 細胞増殖 / 核内プロトオンコジ-ン / 遺伝子発現誘導 / serum responsive element(SRE) |
Research Abstract |
サイトカインシステムにおける細胞内情報伝達機構の解明を目標として、インタ-ロイキン2(ILー2)受容体B鎖を介するシグナル伝達機構の解析を行った。昨年度にはシグナル伝達においてB鎖の下流に位置しB鎖と共役するシグナル伝達分子として、リンパ球特異的srcファミリ-チロシンキナ-ゼp56^<lck>を同定し、これら分子間の相互作用に重要な領域を両分子において同定した。本年度はシグナル伝達におけるこの両分子の会合の役割を明かにする目的で、ILー3依存性プロB細胞にB鎖およびその変異体をp56^<lck>と共に発現させた。これらの細胞株を用いた実験結果から、これら両分子の会合がILー2によるp56^<lck>のセリンリン酸化および一連の細胞内タンパク質のチロシンリン酸化亢進に必須であることが明らかとなった。興味深いことにこれら細胞株においては,“ILー2刺激によるタンパク質チロシンリン酸化亢進"と“細胞増殖"とは相関が認められなかった。加えてILー2またはILー3刺激後の前述の生化学的変化を比較・検討した結果、これら2つの異なるサイトカイン系において共通あるいは類似のシグナル伝達機構が存在することが明かとなった。ILー2によって核内プロトオンコジ-ンcーfos,cーjun等のmRNA発現が誘導されるが、cーfos遺伝子の場合、そのプロモ-タ-上のserum responsive element(SRE)がILー2シグナルの標的であることを明かにした。さらに前述の一連の細胞株を用いてILー2刺激後のcーfos,cーjun遺伝子の発現誘導を調べた結果、ILー2による“一連の細胞内タンパク質のチロシンリン酸化の亢進"と“これら遺伝子(cーfos,cーjun遺伝子)の発現誘導"とは機能的に連関していることが明かとなった。
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[Publications] M.Hatakeyama: "Interaction of the ILー2 Receptor with the srcーFamily Kirase p56^<lck>:identification of Novel Intermolecular Association." Science. 252. 1523-1528 (1991)
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[Publications] T.Miyazaki: "The integrity of the conserved“WS motif"common to ILー2 and other cytokine receptors is essential for ligand birding and signal transduction." EMBO J.10. 3191-3197 (1991)
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[Publications] M.Hatakeyama: "cーfos Gene Induction by ILー2:Identification of the Critical Cytoplasmic Regions within the ILー2 Receptor B Chain." Proc.Natl.Acad.Sci.,U.S.A.(1992)
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[Publications] Y.Mirami: "p56^<lck> associated with the ILー2 Receptor B chain is a critical element in the tyrosine kinase pathway following ILー2 stimulation."
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[Publications] T.Taniguchi: "Drug Resistances as A Biochemical Target in Cancer Chemotherapy" Academic Press,Inc., 12 (1992)