1991 Fiscal Year Annual Research Report
インタ-ロイキン5受容体を介するシグナル伝達の分子論的解析
Project/Area Number |
03670256
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
等 泰道 熊本大学, 医学部, 助手 (10222241)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山口 直人 熊本大学, 医学部, 助手 (00166620)
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Keywords | インタ-ロイキン5 / インタ-ロイキン5受容体 / シグナル伝達 / リン酸化蛋白 |
Research Abstract |
ILー5のシグナル伝達機構を解明していくうえでILー5受容体の構造と機能を解明することは極めて重要である。ILー5受容体は、細胞表面上に存在するILー5に特異的な受容体で高親和性と低親和性の2種類の親和性を有する。ILー5受容体を構成する分子のひとつは分子量約6万の糖蛋白質であり、このILー5受容体単独では低親和性のみを示す。一方、ILー5によるシグナル伝達には、カルシウムイオンの動態変化は全く関係なく、細胞内蛋白質のリン酸化が重要な役割を果たしていることも明らかにされている。本年度我々は、ILー5依存性早期B細胞株(T88ーM)から抗ILー5受容体抗体を用いたアフィニティ精製によって分子量6万のILー5受容体の精製蛋白を得てN末端アミノ酸配列(Aspから17残基)の決定を行った。このアミノ酸配列はすでに単離されているcDNAから類推されるアミノ酸配列と完全に一致した。これによってcDNAから類推される415アミノ酸配列のMetから始まるN末端17残基がリ-ダ-配列であることを明らかにした。単独では低親和性のみを示す分子量約6万のILー5受容体をILー3依存性増殖細胞株FDCーP1に発現させると高親和性と低親和性の2種類のILー5受容体が発現する。このことからILー5受容体はFDCーP1細胞上の未知の分子と高親和性ILー5受容体を構成することが示唆される。そこでILー5受容体とILー3受容体に非常に高い相同性を示しかつILー5結合性のないAIC2Bを共に発現させたところ、高親和性ILー5受容体がこの両者で構成されることが明らかになった。さらにILー5刺激による細胞内蛋白質のリン酸化について解析し、ILー5受容体とは異なる分子量6万の蛋白のセリン残基と、分子量14万、9.2万、5.3万、4.8万、4.5万の蛋白のチロシン残基がILー5刺激後急速にリン酸化されることを明らかにした。
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[Publications] Migita,M.et: "Characterization of the human ILー5 receptors on eosinophils" Cell.Immunol.133. 484-497 (1991)
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[Publications] Mita,S.: "Molecular characterization of the β chain of the murine interlukin 5(ILー5)receptor" Int.Immunol.3. 665-672 (1991)
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[Publications] Yamaguchi,N.: "Murine interleukin 5 receptor isolated by immunoaffinity chromatography:comparison of determined Nーterminal sequence and deduced primary sequence from cDNA and implication of a role of the intracytoplasmic domain." Int.Immunol.3. 889-898 (1991)
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[Publications] Satoshi,T.: "Identification of the second subunit of the murine interleukinー5 receptorーlike protein,AICB is a component of the high affinity interleukinー5 receptor" The EMBO J.10. 2833-2838 (1991)