1991 Fiscal Year Annual Research Report
比較的低濃度石綿曝露作業者の直接X線写真所見と曝露量との関係の解析
Project/Area Number |
03670277
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Research Institution | University of Occupational and Environmental Health, Japan |
Principal Investigator |
東 敏昭 産業医科大学, 医学部・産業保健管理学, 助教授 (10119000)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
百道 敏久 産業医科大学, 医学部・労働衛生工学, 助手 (20228753)
藤野 昭宏 産業医科大学, 医学部・産業保健管理学, 助手 (00209074)
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Keywords | 石綿 / 疫学的研究 / 胸部レントゲン写真 / じん肺 / 胸膜肥厚 / 胸膜肥厚斑 / 曝露量ー反応関係 |
Research Abstract |
1.調査対象は、職業的に低濃度の石綿曝露を受けてきたと考えられる。日本石綿協会会員会社の石綿含有製品製造作業に従事する集団で、原則として昭和50年の特定化学物質等取扱障害予防規則の普及以降に石綿取扱作業に従事した者。平成3年11月までに収集した最新の胸部直接レントゲン写真について、肺実質および胸膜の状態を3人のじん肺写真の読影に一定の経験を持つ医師が、独立にILOの標準じん肺写真及びAIA石綿肺標準写真を参照のもとにスクリ-ニング読影及び過去の写真を含めた再読影(平成4年1月)を行った。 2.収集された写真は69の事業所から1670枚で、このうち読影可能な枚数は1496枚(男性1077;平均年齢42歳、女性419枚;平均年齢40歳)であった。対象者の石綿取扱作業従事期間は6カ月〜29年であった。有所見者の数は読影者間でばらつきが大きかった。再読影により3人が合意した有所見者は、じん肺所見PR1以上が92例(男性69例、女性23例)で対象者の6.1%、胸膜有所見(胸膜肥厚、胸膜肥厚斑)が87例(男性64、女性23)、5.8%であった。有所見率は曝露年数及び年齢の増加に相関して増加し、曝露年数が15年以上では特に増加していた。胸膜肥厚斑は24例に認められ、今までの報告にある一般人口における有所見率よりも高いと考えられるが、判定基準などの相違があることも考慮した検討が必要である。胸膜肥厚斑についての調査対象内部の年齢をマッチングした症例一対照研究では、有所見者の曝露歴が長い傾向はあるものの、統計的に有意ではなかった。 3.平成4年度は、(1)既に集めた石綿曝露のない粉塵職場に従事する外部対照群との比較、(2)曝露歴と曝露濃度の推定値から求めた累積曝露量との関連の解析、(3)喫煙などの交絡因子を含めた解析を実施する。
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Research Products
(1 results)
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[Publications] Higashi,T.,Tsuchiya,K.Eds.George A.Peters,Barbara J.Peters: "Batterworth,Caltornia" Chapter 9.Asbestos Research and regulation in Japan.In International Asbestos Medical Research (Volume 6 of the Sourcebook),pp207-262. 1991. (467)