1992 Fiscal Year Annual Research Report
消化器癌に対するモノクローナル抗体による画像診断とその改良
Project/Area Number |
03670614
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Research Institution | Fujita Health University |
Principal Investigator |
渡辺 正 藤田保健衛生大学, 医学部, 教授 (20144157)
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Keywords | 大腸癌 / モノクローナル抗体 / 画像診断 / CEA |
Research Abstract |
大腸癌の質的画像診断をめざして、CEAに対するモノクローナル抗体CEA102を作製し、その^<131>I標識抗体を用いて25例に及ぶ臨床例を行い17例に診断が可能であった。特に直腸癌局所再発の診断において、再発腫瘍と術後のはん痕肉芽創との鑑別に有用であったが、画像のQuality、時間を要する、腫瘍と膀胱、骨などとの重なり、など多くの問題点が残された。そこで今回の研究では、これらの問題点を改善するために種々の試みを行った。昨年度はwhole IgGとF(ab')_2の体内動態の比較と撮像時間の改善、また投与抗体からのエンドトキシン除去による副作用の消失、さらにCEA陽性細胞移植マウスを用いて抗体の至適投与量の検討を行った。本年度は核種として^<111>In、画像器としてEmission CTを用いることをめざし、まず^<111>Inと^<131>Iの体内動態の比較を行った。その結果^<111>Inの肝内貯留が予想以上に長く、^<131>Iが2〜3日で放射活性が低下するのに対し、7日以上にわたり上昇傾向を示した。臨床例として直腸癌およびリンパ節再発の5例に画像診断を試みたところ、3例に腫瘍を検出することが出来たが、骨への重なりなどのため、十分に満足する画像が得られなかった。^<111>Inに比べ^<123>Iは網内系への取り込みが少ないと考えられるため、現在その使用を考慮している。本年度の特筆すべきことは、Computed Radiographyを用いたAutoradiographyにより、抗CEA抗体が大腸癌の原発巣、微小な肝転移巣(0.5cm)に集積することを観察したことである(Jpn.J.Cancer Res.,1992)。組織レベルにおける抗体の集積を証明できたことは、将来画像機器などが一層発展するに伴い、当方が一般検査として必ず有用になることを確信させるものとなった。
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[Publications] J.Sakamoto: "Detection of locally recurrent colorectal cancer with radiolabled monoclonal antibody H-15" Jpn.J.Cancer.Res.83. 1373-1381 (1992)
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[Publications] 村上 和之: "抗CEAモノクローナル抗体を用いた大腸癌の画像診断ー第3報:臨床症例20例の経験"
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[Publications] I.Yokoyama: "Radioimmunoscintigraphy of human gastric carcinoma xenografts with ^<125>I-labled monoclonal antibody" Jpn.J.Cancer.Res(Gann). 77. 1114-1121 (1986)
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[Publications] 村山 浩基: "抗CEAモノクローナル抗体を用いた大腸癌の画像診断" 日外会誌. 90. 1732-1741 (1989)
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[Publications] 渡辺 正: "^<131>I標識抗モノクローナル抗体の投与により診断しえた直腸癌局所再発1例" 日本大腸肛門病会誌. 42. 1272-1277 (1989)
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[Publications] 坂本 純一: "モノクローナル抗体を用いた大腸癌肝転移および局所再発に対する腫瘍画像診断" 日消外会誌. 23. 1001-1005 (1990)
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[Publications] 和田 喜美夫: "抗CEAモノクローナル抗体を用いた大腸癌の画像診断ー第2報:モノクローナル抗体CEA102のwhole IgGとF(ab')_2の比較" 日外会誌. 93. 266-273 (1992)
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[Publications] T.Satoh: "Autoradiographic analysis of radiolabled anti-carinoembryonlc antigen monoclonal antibody CEA102 in colorectal cancer using computed radiography" Jpn.J.Cancer.Res.83. 379-386 (1992)